小6で拡大図と縮図がわからない|縮尺でつまずく理由
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「図を2倍にかくのはできていたんです。それなのに、地図の問題になったら全部空欄でした」——2学期に「拡大図と縮図」の単元が進むと、こういう相談が出てきます。前半のテストは取れていたのに、単元テストで急に崩れる。親としては何が起きたのか見えにくい単元です。
先に結論をお伝えします。この単元は、後半で中身が入れ替わります。 前半は図形を見て・かく学習ですが、後半の「縮尺」は、実質的に単位換算とわり算の学習です。図形が苦手だから解けないのではなく、cmとmとkmを行き来するところで止まっている子がかなりいます。
つまり、図形の練習を増やしても縮尺の問題は動きません。直す場所を分けるのが先です。
この記事でわかることは3つです。
- お子さんが3つの関門のどこで止まっているかの見分け方
- 関門ごとの家庭での直し方(地図とものさしでできます)
- 2週間やっても答案が変わらないときの戻り先
難しくなるのは単元の後半
文部科学省の小学校学習指導要領では、縮図や拡大図は第6学年の図形の内容として示されています。示されている文言は「縮図や拡大図について理解すること」だけで、縮尺という言葉は出てきません(最終確認日:2026-09-19)。
ところが教科書と授業では、この単元の後半に縮尺が入ります。教員向けの指導資料に載っている指導案では、縮尺を扱う時間が「本時の位置 6/8」と書かれています(みんなの教育技術「小6算数『拡大図と縮図』指導アイデア」、最終確認日:2026-09-19)。8時間の単元なら、6時間目にようやく出てくる内容だということです。
ここが、保護者から見て単元がわかりにくい理由です。
- 前半(1〜5時間目あたり):図を見比べる、方眼を使ってかく、方眼なしでかく
- 後半(6時間目以降):縮尺の意味、地図から実際の長さを求める
前半と後半で、使う力がほとんど別物になっています。 前半でつまずく子と後半でつまずく子は、直す場所も違います。「拡大図と縮図が苦手」とひとまとめにしないところから始めてください。
つまずきが起きる3か所
答案を見ただけでは「図形全部がだめ」に見えます。実際に止まっている場所は、3つのどれかであることが多いです。
- 関門1:拡大図・縮図かどうかの見分け 「どれが㋐の拡大図ですか」という問題で、勘で選んでいる。角だけ、あるいは1つの辺だけを見て決めている。
- 関門2:方眼なしの作図 方眼のマス目を数えればかけるが、白い紙に定規と分度器でかく段になると手が止まる。
- 関門3:縮尺の文章題 図形の問題はできるのに、地図や木の高さを求める問題だけ空欄になる。計算が合っていても単位が違う。
見分け方は簡単です。お子さんに、縮尺の書いてある地図の問題を1問だけ横で解いてもらってください。そこで何が起きるかで分かれます。
- 「拡大図ってどれのこと?」と聞いてくる → 関門1
- 図はかけるが、地図の問題は手をつけない → 関門2の練習は足りているので関門3
- 計算はするが、答えの単位がcmのまま → 関門3
3つとも当てはまることは、あまりありません。 該当するところだけ読んでください。
関門1 角だけで見分ける誤り
拡大図・縮図と言えるための条件は2つあります。対応する角の大きさがすべて等しいこと。そして対応する辺の長さの比がすべて等しいこと。 片方だけでは足りません。
教員向けの指導資料では、この2つをくじ引きにたとえた教材が紹介されています。対応する角は等しいけれど辺の長さの比がちがう図を出して、見た目が似ていても「はずれくじ」だと確かめさせる流れです(みんなの教育技術「小6算数『拡大図と縮図』指導アイデア《拡大図と縮図の意味と性質》」、最終確認日:2026-09-19)。
学校の教材があえてこの形を出しているのは、角だけを見て決める子が多いからです。
家庭では、紙に長方形を3つかくだけで確かめられます。
- たて2cm・よこ3cmの長方形をかく
- たて4cm・よこ6cmの長方形をかく(すべての辺が2倍)
- たて4cm・よこ3cmの長方形をかく(たてだけ2倍)
そのうえで「2番と3番、どっちが1番の拡大図?」と聞いてください。3番を選ぶ、または迷うなら関門1です。3つとも角はすべて直角なので、角だけ見ていると区別がつきません。
直し方は、確かめる順番を固定することです。
- まず対応する辺を全部見つけて、長さが何倍かを書き込む
- その数字が全部そろっているかを見る
- 角を調べるのは、そのあと
「2倍かな」と口で言わせるのではなく、図の横に倍の数を書かせるのがポイントです。書けば、そろっていないことが目で見えます。
関門2 方眼なしの作図
方眼紙ならかけるのに白紙だとかけない子は、作図の方法を1つしか知らないことが多いです。
教科書で扱われるかき方は、大きく2つあります。
- 対応する辺の長さと角の大きさを使ってかく:辺の長さを2倍にして、間の角を分度器で写していく方法です。教員向けの指導資料でも、この手順が1時間分の指導アイデアとして扱われています(みんなの教育技術「小6算数『拡大図・縮図』指導アイデア《対応する辺の長さや角の大きさを基にした拡大図のかき方》」、最終確認日:2026-09-19)。
- 1つの頂点を中心にしてかく:ある頂点を決めて、そこから他の頂点までの長さを2倍にのばした点をとり、結ぶ方法です。
この2つは、使える場面が違います。 前者は辺と角が測れるとき、後者は形を大きくのばしたいときに向きます。学校で片方しか身についていないと、問題によって手が止まります。
家庭で見るときは、お子さんに「どっちのやり方でかいてる?」と聞いてください。答えられないなら、まず1つの頂点を中心にする方法だけを練習するほうが早いです。分度器を使わずに済むぶん、道具の扱いでつまずきません。
三角定規や分度器の扱いそのものがあやしい様子なら、作図ではなく道具が原因です。その場合は小4で角度・分度器がわからない|家庭での教え方のコツのほうが戻り先として合っています。
関門3 縮尺は単位の問題
いちばん多いのがここです。そして、図形の問題ではありません。
縮尺は、実際の長さをどれだけ縮めたかの割合で、「1:25000」や「25000分の1」のように表します(ちびむすドリル「縮図の利用・縮尺」の解説資料、最終確認日:2026-09-19)。1:25000の地図で1cmは、実際には25000cmです。そして25000cmは250mです。
答案でよく起きているのは、この最後の1行が抜けることです。
- 25000cmまでは合っている
- 答えの欄に「25000cm」と書く、または「25000m」と書く
- 計算はできているのに、点にならない
この子に必要なのは図形の練習ではなく、長さの単位を直す練習です。1m=100cm、1km=1000mを、途中でつまらずに言えるかどうかを先に確かめてください。ここがあやしいまま縮尺のプリントを何枚やっても、同じ間違いが出続けます。
単位の土台が弱いと感じたら、学年をさかのぼるのがいちばん早道です。長さやかさの単位でつまずいた経験があるなら、小2で単位(かさ・長さ)がわからない|家庭での教え方で土台を確かめられます。
縮尺の2つの向きを分けて見る
縮尺の問題には向きが2つあります。地図から実際を求める問題と、実際から地図上の長さを求める問題です。 同じ単元の中に混ざって出てくるので、まとめて練習すると混乱します。
2つは、計算も単位の直し方も逆になります。
小6 拡大図と縮図 | 縮尺の2つの向き
地図から実際を求める・実際から地図上を求める
同じ縮尺でも、かけるかわるか、単位をいつ直すかが逆になります
| 計算のしかた | 単位を直すタイミング | 起きやすい間違い | |
|---|---|---|---|
| 地図から実際を求める 例:地図上4cmは実際何m | ○ 縮尺の分母をかけるだけ | △ 計算のあとにcmをmやkmへ直す | △ cmのまま答えてしまう |
| 実際から地図上を求める 例:実際3kmは地図上何cm | ○ 縮尺の分母でわるだけ | × 計算の前にkmやmをcmへ直す | × 単位を直さずにわってしまう |
- ※表は縮尺が「1:25000」のように分数で表されている場合の進め方です。
- ※つまずき方には個人差があります。お子さんの答案で確かめてください。
まなびとこども
家庭で教えるなら、1日1方向に絞ってください。今日は「地図から実際」だけ、別の日に「実際から地図上」だけ。2つを同じ日に出すと、かけるのかわるのかで迷います。
そして、どちらの向きでも共通する声かけが1つあります。「その答え、単位は何?」 これだけで直る答案がかなりあります。
家庭でやらないほうがよい3つ
立て直しのつもりが遠回りになるやり方もあります。
- 拡大図の作図プリントを追加する:関門3で止まっている子に作図を足しても、地図の問題は変わりません。答案を見て、どの関門かを決めてからにしてください。
- 「比」を先に教え込む:縮尺は比で表しますが、小6の「比」の単元と縮尺の単元は教科書で別々に置かれています。比の計算から入ると遠回りになりやすい場所です。比そのものがあやしい場合は小6で比例・反比例がわからない|表・式・グラフの直し方で関係を整理するほうが早いです。
- 電卓を使わせない:25000をかける計算は、けた数が多くて写し間違えます。単位の考え方を確かめる日だけは、計算を電卓に任せてよいです。考え方が入ってから筆算に戻せば足ります。
もうひとつ。親が教えるとぶつかってしまうのは、教え方の問題ではありません。距離が近いぶん、お互いに感情が出やすいだけです。この点は小学生に勉強を教えるとケンカになる|親が教えない切り替え方にまとめています。
2週間で変わらないときの戻り先
単位を直す練習まで試して、2週間たっても答案が動かない場合、原因はこの単元より前にあります。よくある戻り先は3つです。
- 長さの単位(小2〜小3):1m=100cm、1km=1000mが出てこない
- 小5の「割合」:もとにする量とくらべる量の区別があいまい
- 小5の「小数のかけ算・わり算」:0.5倍や2.5倍が出たときだけ崩れる
3つ目に当てはまるなら、直すのは縮尺ではなく小数のほうです。この見分けがつかないまま図形のプリントを続けても、答案は変わりません。割合のほうに不安があるなら、小5で割合がわからない|つまずきの正体と家庭での教え方が戻り先の目安になります。
そのうえで、家庭でとれる手は3つあります。どれが優れているという話ではなく、親が使える時間と、お子さんの詰まり方で向き不向きが変わります。
- 親が横について、答案から関門を特定する
- 映像授業で、前の学年の単元に自分で戻る
- 1対1で解く手元を見てもらい、止まっている場所を外から見つけてもらう
**「どの学年まで戻ればよいか、親では判断がつかない」**というご家庭には、3つ目が向きます。縮尺は、単位・割合・小数と別の学年の内容が同時に効いてくる場所です。戻り先を人に決めてもらえるかどうかで、立て直しにかかる時間が変わります。
合わないと感じたら、見送ってかまいません。無料体験は「うちの子がどこで止まっているか」を外から見てもらう機会として使うだけでも意味があります。
いっぽう、つまずきが縮尺の1単元だけとはっきりしている場合は、映像授業のほうが負担は軽く済みます。
どちらを選んでも、伸び方にはお子さんとの相性による個人差があります。まず1つだけ試して、2週間ほど様子を見れば十分です。
よくある質問
Q. 拡大図と縮図は、中学でも使いますか。 A. 中学で習う「相似」につながる内容です。教員向けの指導資料でも、この単元は相似の理解の基礎となる経験を豊かにすることがねらいだと説明されています。
Q. 作図は何回くらい練習させればよいですか。 A. 回数よりも、かき方を2つとも言えるかどうかで判断してください。1つしか知らない状態で枚数を増やすと、その1つが使えない問題で止まり続けます。
Q. 縮尺の問題で、いつも答えが1000倍ずれます。 A. cmとmの取りちがえが起きています。100倍ずれるならcmとm、1000倍ならmとkmです。ずれ方から原因が特定できるので、答案のずれの大きさを見てください。
Q. 単元テストが終わってしまいました。今からやる意味はありますか。 A. 縮尺の土台である単位の直し方は、中1の理科や数学でも使います。単元テストのやり直しという形にこだわらず、単位だけ通しておくほうが後に効きます。
Q. 無料体験は受けたら申し込まないといけませんか。 A. 各社で条件が異なります。勧誘の有無や申し込みの義務は公式サイトの記載をご確認のうえ、合わないと感じたら見送ってかまいません。
まとめ 直すのは比と単位の2か所
小6の「拡大図と縮図」は、前半と後半で別の単元のように中身が変わります。だから「図形が苦手」とまとめると、直す場所を外します。
家庭でやることは3つに絞れます。
- 地図の問題を1問だけ横で解いてもらい、3つの関門のどこで止まるかを見る
- 見分けの問題では、対応する辺が何倍かを図に書き込ませる(角から見ない)
- 縮尺の問題では、**「その答え、単位は何?」**と1回だけ聞く
作図のプリントを増やす前に、答案の単位を見てください。点にならなかった原因が図形ではなく単位だった、というのはよくあります。 親が付き合いきれないときに、映像教材や1対1の力を借りるのも十分に良い選択です。
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- 小5で割合がわからない|つまずきの正体と家庭での教え方
参考にした情報
- 文部科学省「小学校学習指導要領」算数(第6学年の図形の内容。最終確認日:2026-09-19)
- みんなの教育技術(小学館)小6算数「拡大図と縮図」指導アイデア(縮尺を扱う時間の位置づけ。最終確認日:2026-09-19)
- みんなの教育技術(小学館)小6算数「拡大図と縮図」指導アイデア《拡大図と縮図の意味と性質》(同上)
- みんなの教育技術(小学館)小6算数「拡大図・縮図」指導アイデア《対応する辺の長さや角の大きさを基にした拡大図のかき方》(同上)
- ちびむすドリル「縮図の利用・縮尺」(縮尺の表し方。最終確認日:2026-09-19)
- オンライン家庭教師ネッティー(公式)料金(最終確認日:2026-09-19)
- スタディサプリ小学講座(公式)料金(最終確認日:2026-09-19)
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