学習の悩み・選び方

小5で三角形・平行四辺形の面積がわからない|高さの探し方

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「底辺かける高さ、三角形はわる2。ちゃんと言えるんです。なのにテストは半分も取れていなくて」——2学期に面積の単元が始まると、こういう相談が増えます。答案を見ると、公式の書き間違いではありません。図に書いてある数を、そのままかけているのです。

先に結論をお伝えします。小5の面積でつまずく子の多くは、公式を忘れているのではなく「どこが高さなのか」を決められずに止まっています。 高さは図形の中に「高さ」と書いてあるわけではなく、底辺に対して垂直な長さを自分で選ぶものです。ここが決まらないまま数だけをかけると、公式を完璧に覚えていても答えは合いません。

しかも底辺と高さの関係は、このあとの学年でもくり返し出てきます。2学期のうちに「高さの探し方」だけでも通しておく価値がある単元です。

この記事でわかることは3つです。

  • お子さんのつまずきが4つの型のどれに当てはまるか
  • 型ごとの、家庭での直し方の順番(紙とはさみでできます)
  • 2週間続けても答案が変わらないときの戻り先

この単元は「公式を覚える単元」ではない

まず、学校が何をねらっている単元なのかを押さえておくと、家庭での声かけが変わります。

文部科学省の小学校学習指導要領では、三角形・平行四辺形・ひし形・台形の面積の求め方は、第5学年の「B 図形」の内容として位置づけられています。教科書では「四角形と三角形の面積」という単元名で扱われることが多く、東京書籍「新編 新しい算数」では5年の下巻に置かれています。同社の年間指導計画資料では、この単元に11時間ほどが配当されています(最終確認日:2026-09-13)。

11時間というのは、小5の算数の単元としては長いほうです。それだけの時間をかけるのは、公式を4つ暗記させるためではありません。

各地の教育委員会が公開している第5学年の学習指導案を見ると、単元の目標は「三角形、平行四辺形、台形、ひし形などの面積の求め方を、すでに習った面積の求め方に帰着して考え、公式をつくり出す」といった書かれ方をしています。つまり、すでに知っている長方形の面積に「どうやって直すか」を考えるのが本体です。だから「公式を10回書いて覚えよう」はこの単元にはあまり効きません。効くのは、紙を切って動かしてみることです。

なお、小4で習った長方形・正方形の面積があいまいなままだと、この単元は土台から揺れます。「1cm²が何個分」という見方に不安があるなら、先に小4で面積がわからない|公式は言えるのに解けない理由で戻り先を確かめてから進めるほうが早いです。

つまずきの型は4つ

答案だけ見ていると「面積が全部だめ」に見えますが、実際に止まっている場所は限られています。家庭で見分けるときは、1問だけ横で解いてもらい、鉛筆が止まった瞬間に何をしていたかを見てください。

  • 型①:斜めの辺を高さとして使ってしまう 平行四辺形の斜めの辺に書いてある数を、そのまま高さのつもりでかけている。図の中の数を全部使おうとする子に多い型です。
  • 型②:なぜ「わる2」なのかがわからないまま使っている 三角形でわる2を忘れる、または平行四辺形にまでわる2をつけてしまう。公式を音で覚えていると起きます。
  • 型③:高さが図形の外に出ると手が止まる つぶれた形の三角形など、高さが図形の内側に引けないタイプで空欄になる。
  • 型④:底辺をどこにしてよいか決められない 図が傾いていたり、辺の長さが3つ4つ書いてあったりすると、どの数とどの数を組にするかで止まる。

見分け方は、たった一つの質問で足ります。図を指して、**「この形の高さって、どこ? 指でなぞってみて」**と聞いてみてください。

  • 斜めの辺をなぞる → 型①
  • 高さは正しくなぞれるが、答えが2倍または半分になっている → 型②
  • 「ない」と言う、または黙ってしまう → 型③
  • 「どれでもいいの?」と聞き返す、迷って手が止まる → 型④

この質問に正しく答えられる子は、公式の暗記ではなく計算ミスの問題です。 全部をやり直す必要はありません。当てはまった型のところだけ読んでください。

直し方①:高さは「底辺と直角になっている長さ」だと決め直す

いちばん多いのが型①です。教員向けの指導資料でも、底辺と高さは垂直の関係にあることを確実に理解させる必要がある、という形で注意点が挙げられています(みんなの教育技術「小5算数『面積』指導アイデア《平行四辺形の面積の求め方》」、最終確認日:2026-09-13)。進研ゼミ小学講座の解説コラムでも、横の辺に対して垂直になっていない斜めの辺を「たて」と見て長方形と同じように計算してしまう誤りが紹介されています(進研ゼミ小学講座、同日確認)。

家庭では、言葉を1つに固定するところから始めます。

  1. お子さんに、平行四辺形の図の底辺を鉛筆でなぞってもらう
  2. 「その線と直角になっている長さは、どれ?」と聞く
  3. 三角定規の直角の角を図に当てて、実際に合うかどうか確かめる

ポイントは、「高さ」という言葉を使わずに「底辺と直角になっている長さ」と言い直すことです。「高さ」は日常語では「上下方向の長さ」なので、傾いた図形になると生活の感覚が邪魔をします。言い方を変えるだけで、斜めの辺を選ばなくなる子はかなりいます。

小4で習う「垂直」があいまいだと、この直し方は効きません。三角定規を当てても直角かどうか判断できない様子なら、そこが戻り先です。分度器や作図の道具でつまずいている場合は、小4で角度・分度器がわからない|家庭での教え方のコツで手順を切り分けられます。

あわせて「図に書いてある数は、全部使わなくていいよ」と一度伝えるだけで、答案が変わることがあります。

直し方②:平行四辺形は、切って動かして長方形にしてみる

型①がなかなか直らない子と、そもそも公式の意味が入っていない子には、紙で1回やってみせるのがいちばん早いです。

用意するのは、コピー用紙と定規とはさみだけです。

  1. 紙に平行四辺形をかいて、切り取る
  2. 底辺と直角になるように、はしのほうで1回まっすぐ切る
  3. 切り取った三角形を、反対側に移してくっつける
  4. 長方形になることを、お子さん自身の手で確かめる

こうすると、長方形のたてにあたるのが「底辺と直角の長さ」だとわかります。斜めの辺は、切って動かした時点でどこにも残っていません。「斜めの辺は使わない」ではなく「使いようがない」と目で見て納得できるのが、この方法の強いところです。

この「切ってくっつけて長方形にする」進め方は、教員向けの指導資料でも平行四辺形の面積を導く定番の流れとして紹介されています(同上、最終確認日:2026-09-13)。学校でも同じことをやっている可能性が高いので、家庭でくり返しても混乱しません。かかる時間は5分ほど。この5分は、練習プリント1枚より効くことがあります。

直し方③:三角形は2つ合わせて、「わる2」の理由を手で確かめる

型②——「わる2」を忘れる、あるいは平行四辺形にもわる2をつけてしまう——は、公式を音のまとまりで覚えている子に起こります。「ていへんかけるたかさわるに」がひとかたまりの呪文になっていると、図形が変わったときに切り離せません。

ここも、紙でやってみるのが早道です。

  1. 同じ三角形を2枚作る(1枚かいて、2枚重ねて切ると同じものができます)
  2. 1枚をくるっと180度回して、もう1枚にくっつける
  3. 平行四辺形になることを確かめる
  4. 「平行四辺形の面積の半分が、三角形1つ分だね」と確認する

同じ三角形を2つ合わせて平行四辺形にする考え方は「倍積変形」、形を変えても面積が変わらないようにずらす考え方は「等積変形」と呼ばれ、教員向けの指導資料でも三角形の面積を求める方法として紹介されています(みんなの教育技術「小5算数『図形の面積』指導アイデア《三角形の面積を等積変形や倍積変形で求めよう》」、最終確認日:2026-09-13)。

大事なのは、手順3で子ども自身に回させることです。親がやって見せると「ふーん」で終わりますが、自分の手で回してぴったり合った瞬間に、「わる2」が呪文から理由のある操作に変わります。

そして、ここで一度だけ言葉にしてもらってください。「なんでわる2なの?」→「2つ合わせると平行四辺形になるから」 と答えられれば、この型は抜けています。

直し方④:高さが図形の外に出る問題は「底辺を延ばす」

型③は、つぶれたような形の三角形で起こります。底辺から垂直に線を引こうとしても、三角形の中に引けません。ここで「高さがない」と判断して空欄にする子が多い場所です。

高さが三角形の外にある場合の求め方は、教員向けの指導資料でも独立した1時間分の指導アイデアとして扱われています(みんなの教育技術「小5算数『面積』指導アイデア《高さが三角形の外にある場合の三角形の面積の求め方》」、最終確認日:2026-09-13)。つまり、学校でも「ここは難しい」と想定されている場所です。できなくても、お子さんが特別に遅れているわけではありません。

家庭での手順はこうです。

  1. 底辺を決めて、鉛筆でなぞる
  2. 底辺をそのままの向きに、点線でのばす(三角形の外まで)
  3. 向かい合う頂点から、のばした点線に向かって直角の線を下ろす
  4. その線の長さが高さになる

このとき、**「高さは形の中にあるとはかぎらない」**と一言添えてください。型③の子は、高さが内側にあるものだと思い込んでいます。思い込みを外すのが先で、作図の練習は後です。

底辺は自分で選んでよい、を1回確かめておく

型④の子は、まじめに考えているのに止まっています。「どこを底辺にするかで答えが変わってしまうのでは」と不安になっているからです。

ここは、実際にやって確かめるのがいちばん納得します。同じ平行四辺形で、底辺を横の辺にした場合と、斜めの辺にした場合の両方で計算してみてください。それぞれに対応する高さを測って計算すると、答えは同じになります。

  • 底辺を変えると、それに合わせて高さも変わる
  • 底辺と高さは、かならず直角の関係でセットになっている
  • どのセットを使っても、面積は同じ

「その高さ、どの底辺とセットになってる?」と聞くだけで、型①と型④の両方に効きます。図形全般に不安が広がっているようなら、学年ごとに何を習うかを整理した図形が苦手な小学生|学年別のつまずきと家庭での教え方も参考になります。

家庭でやらないほうがよい3つ

立て直しのときに、かえって遠回りになりやすいやり方もあります。

  • 公式を書いて覚えさせる:この単元は、公式を思い出せないことより「どの数を入れるか決められない」ことでつまずきます。書き取りでは、そこは直りません。
  • 一度に4つの図形を復習する:三角形・平行四辺形・台形・ひし形をまとめて出すと、どれがどれだか混ざります。今日は平行四辺形だけのように、1日1形に絞ってください。
  • 「さっき教えたでしょう」と言う:高さの見方は、いったん通じても翌日また斜めの辺を選ぶことがよくあります。切り替わるまで時間がかかる見方なので、回数がかかるのがふつうです。

もうひとつ。親が教えるとケンカになるのは、教え方が下手だからではありません。 距離が近いぶん、お互いに感情が出やすいだけです。人を替えるだけで進む場合もあります。この点は小学生に勉強を教えるとケンカになる|親が教えない切り替え方にまとめています。

2週間やって答案が変わらないときの戻り先

紙を切る方法まで試して、2週間たっても答案が動かない場合、原因はこの単元より前にあることが多いです。よくある戻り先は次の3つです。

  • 小4の「垂直・平行」:三角定規を当てても直角が判断できない
  • 小4の「面積の単位」:cm²とm²の意味があいまい、単位のつけ忘れが多い
  • 小5の「小数のかけ算」:底辺と高さが小数のときだけ間違える(面積の見方ではなく計算の問題)

3つ目に当てはまるなら、直すのは面積ではなく小数のほうです。この見分けがついていないと、面積のプリントを何枚やっても変わりません。

そのうえで、家庭でとれる手は大きく3つあります。どれが優れているという話ではなく、ご家庭の時間と、お子さんの詰まり方によって向き不向きが変わります。

小5 面積 | 家庭での立て直し方

親が教える・映像で戻る・1対1で見てもらう

どこで止まっているかを見つけやすいか、親の時間がどれだけ要るかで選び分けます

つまずきの場所を見つけやすいか親の付き添い時間始めるまでの手軽さ
親が教える(紙とはさみ) 今日からできる ○ 高さを指でなぞらせれば型が分かる × 毎回つきっきりになりやすい ○ 家にある紙と定規で始められる
映像授業で前の学年に戻る 自分のペース △ どこまで戻るかは自分で選ぶ必要がある △ 戻る単元を選ぶところは親が手伝う ○ 申し込んだ日から視聴できる
1対1で見てもらう オンライン個別指導など ○ 解く手元を見てもらえるので特定しやすい ○ 授業中は親が離れていられる △ 体験の予約や機材の準備が必要
  • ※効果の出方にはお子さんとの相性による個人差があります。
  • ※料金・無料体験の条件は各社で変わるため、申し込み前に公式サイトでご確認ください。

まなびとこども

**「どの学年まで戻ればよいのか、親では判断がつかない」**というご家庭には、学年にしばられず前の単元に戻れる形が向いています。面積は、垂直・単位・小数と別々の学年の内容が同時に効いてくる単元なので、戻り先を人に決めてもらえるかどうかで立て直しの速さが変わります。

合わないと感じたら、見送ってかまいません。無料体験は「うちの子がどこで止まっているか」を外の目で見てもらう機会として使うだけでも意味があります。

いっぽう、つまずきが面積の1単元だけとわかっている場合は、映像授業のほうが負担が軽く済みます。

どちらを選んでも、伸び方にはお子さんとの相性による個人差があります。まずは1つだけ試して、2週間ほど様子を見るくらいで十分です。

よくある質問

Q. 公式を覚えさせなくてよいのですか。 A. 覚えること自体は必要です。ただ、この単元でつまずいている子の多くは公式を言えます。順番としては、高さの見つけ方を先に直すほうが答案は動きやすくなります。

Q. 紙を切る作業は、時間のむだではありませんか。 A. 教員向けの指導資料でも、平行四辺形を切って長方形に直す・三角形を2つ合わせるという操作は、公式を導く定番の流れとして紹介されています。学校でやっていることと同じなので、家庭でくり返しても混乱しません。

Q. 台形とひし形も同じように教えたほうがよいですか。 A. 先に三角形と平行四辺形を固めるほうが順番としては楽です。台形やひし形の公式は、三角形と平行四辺形に分けて考える形につながっています。

Q. 2学期のうちに追いつかせるべきですか。 A. あせって単元を全部そろえるより、「底辺と直角のセットを見つける」1点だけでも通しておくほうが、あとの学年に響きにくくなります。学習の進み方には個人差があるので、他のお子さんと比べる必要はありません。

Q. 無料体験は受けたら申し込まないといけませんか。 A. 各社で条件が異なります。申し込みの義務や勧誘の有無は公式サイトの記載をご確認のうえ、合わないと感じたら見送ってかまいません。

まとめ:直すのは「高さの決め方」1か所でいい

小5の「四角形と三角形の面積」は、公式が4つ出てくるので量が多く見えますが、つまずきの場所は「高さをどう決めるか」にほぼ集まっています。

家庭でやることは3つに絞れます。

  • 図を指して「高さはどこ?」と聞き、4つの型のどれかを見分ける
  • 「高さ」ではなく**「底辺と直角になっている長さ」**と言い直す
  • 紙を切って、平行四辺形を長方形に、三角形を2つ合わせて平行四辺形にしてみる

公式を10回書くより、はさみを5分使うほうが早いことがあります。1回で切り替わらなくてもふつうなので、同じ質問を何日か続けられるかどうかのほうが、教え方の上手さより効きます。親御さんが付き合いきれないときに、映像教材や1対1の力を借りるのも、じゅうぶんに良い選択です。

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参考にした情報

※本記事は情報提供を目的としたもので、学習の成果を保証するものではありません(効果には個人差があります)。料金・無料体験の条件は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。