学習の悩み・選び方

小5で単位量あたりの大きさがわからない|家庭での教え方

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「単位量あたりの大きさ、という単元に入ったとたん、算数のテストの点が急に落ちた」。小学5年生の保護者の方から、2学期になるとよく聞こえてくる悩みです。ノートを見ると、わり算の計算そのものは合っている。それなのに答えが違う。よく見ると、わる数とわられる数が逆になっている——。そんな答案を前に、なんと説明していいか分からず固まってしまった経験はないでしょうか。

先に結論をお伝えします。この単元でつまずく子の多くは、計算ができないのではなく、「そろえてから比べる」という考え方が入っていないだけです。そして、その考え方が入らないまま公式だけを覚えると、次の「速さ」、さらに3学期の「割合」まで連鎖して崩れていきます。逆に言えば、ここで考え方をひとつ通しておくと、あとの単元がまとめて軽くなる単元でもあります。

この記事では、単位量あたりの大きさのつまずきを5つに分けて、それぞれの家庭でのほぐし方、戻るべき学年の見つけ方、そして親が付き合いきれないときの選び方までをまとめました。専門用語は使わずに書いていきます。

そもそも「単位量あたりの大きさ」で何を学ぶのか

まず、この単元の正体を整理しておきます。名前が難しいだけで、やっていることは一つです。

2つの数がセットになっていて、そのままでは比べられないものを、どちらか片方を「1」にそろえて比べる。 これだけです。

教科書では、だいたい次の順で出てきます。

  • 混み具合:畳の枚数と人数がちがう2つの部屋、どちらが混んでいるか
  • 人口密度:1平方キロメートルあたりに何人住んでいるか
  • 単価:1個あたり、100グラムあたりの値段
  • 速さ:1時間あたり(1分あたり・1秒あたり)に進む道のり

文部科学省の小学校学習指導要領(平成29年告示)では、これらは第5学年の内容として位置づけられています。「速さ」も5年生で学びます。ここは保護者世代の記憶と食い違うことがある部分で、「速さは6年生では?」と思われた方は、お子さんの教科書の目次を一度確認してみてください。時期は教科書や学校によって差がありますが、多くの学校で2学期にあたる時期に扱われます。

そして大事なのは、混み具合も人口密度も単価も速さも、全部おなじ考え方の言いかえだということです。名前が4つあるので4つ覚えなければいけない気がしますが、覚えることは1つ。この見方を親が持っているだけで、教えるときの焦りがかなり減ります。

つまずきの正体は5つに分かれる

お子さんの答案を見て、どれに当てはまるか確かめてみてください。全部を一度に直す必要はありません。

  • ① そもそも「そろえて比べる」という発想が入っていない:2つの数をどう扱えばいいのか分からず、とりあえず大きい数を小さい数でわってしまう
  • ② どちらをどちらでわるのかが決まらない:計算は合っているのに、わる数とわられる数が逆
  • ③ 「1あたり」が何の1なのか言えない:答えの数字は出せるが、「1平方メートルあたり何人」なのか「1人あたり何平方メートル」なのかが説明できない
  • ④ 小さい数を大きい数でわる計算に慣れていない:たとえば6を8でわる形になったとたん、手が止まる
  • ⑤ 速さを「はじき」の丸暗記で処理している:円を書いて公式に当てはめるが、少し問題文がひねられると使えない

このうち、テストの点に直結しやすいのは②、あとの単元まで響くのは①と⑤です。以下、ひとつずつ家庭でのほぐし方を見ていきます。

直し方①:「そろえないと比べられない」を体感させる

いちばん最初にやるべきは、公式ではなく**「なぜそろえる必要があるのか」の体感**です。ここを飛ばして式から入ると、②以降がすべて丸暗記になります。

紙に、次のような2つの部屋を書いてみてください。

  • A の部屋:畳6枚に、子どもが4人
  • B の部屋:畳6枚に、子どもが5人

「どっちが混んでる?」と聞くと、まず間違いなく「B」と答えます。畳の枚数が同じだから、人数だけ見れば決まるからです。ここで「なんで分かったの?」と聞き返してください。「畳が同じだから」と言えたら、それがこの単元の答えです。

次に、こう変えます。

  • A の部屋:畳6枚に、子どもが4人
  • C の部屋:畳8枚に、子どもが5人

今度は即答できません。ここで手を止めて、「さっきはどうして分かったんだっけ?」ともう一度聞きます。「畳が同じだったから」と戻ってこられたら、「じゃあ畳をそろえればいいんだね」とつなげる。

そろえる方法は2通りあることも、この場で見せてしまってかまいません。

  • 畳1枚あたりの人数をそれぞれ出して比べる(数が大きいほうが混んでいる)
  • 1人あたりの畳の枚数をそれぞれ出して比べる(数が小さいほうが混んでいる)

どちらでも正しく比べられます。「答えの出し方は1つではない」と知ることが、②の逆わり算を防ぐ最大の予防になります。式を教える前に、この5分だけは取ってみてください。

直し方②:「あたり」の直前にある言葉が、わる数になる

ここがテストの点に直結します。どちらをどちらでわるのか。これは覚え方を1本に決めてしまうのが実用的です。

「〜あたり」の直前に書かれている言葉が、わる数。

  • 「畳1枚あたりの人数」→ わる数は畳の枚数。人数 わる 畳の枚数
  • 「1人あたりの畳の枚数」→ わる数は人数。畳の枚数 わる 人数
  • 「1平方キロメートルあたりの人数(人口密度)」→ わる数は面積。人口 わる 面積
  • 「1時間あたりに進む道のり(速さ)」→ わる数は時間。道のり わる 時間
  • 「100グラムあたりの値段」→ わる数は重さ。値段 わる 重さ

問題文に「あたり」と書かれていないときは、聞かれている単位を先に書かせるのが有効です。「答えは『人/平方キロメートル』でしょ。じゃあ人を平方キロメートルでわるんだね」。単位の書き方が、そのまま式の形になっているわけです。

家庭でやるときは、式を書く前に必ず声に出して言わせる。「1平方キロメートルあたり、何人か」。これを言えたら、もう半分終わっています。逆に言えなければ、式が合っていても偶然です。**「言えたら合っている、言えなければ危ない」**という判定に使えるので、丸つけの手間もぐっと減ります。

直し方③:単価で日常につなげると、意味が定着する

学校の問題は「混み具合」から入りますが、子どもにとっていちばん実感があるのは値段です。買い物のついでに10秒だけ使えます。

  • 同じお菓子の「小さい袋120グラムで198円」と「大きい袋200グラムで298円」、どっちがお得?
  • 牛乳の「1000ミリリットル198円」と「500ミリリットル108円」、どっちがお得?

ここで**「100グラムあたりいくら?」**という言い方を親が使ってみせるだけで、③の「1あたりが何の1なのか言えない」は自然にほぐれていきます。スーパーの値札に100グラムあたりの単価が併記されていることもあるので、実物を指さして「これがまさに今習ってるやつだよ」と言うのが一番早いです。

注意点として、わり切れない場面がほとんどです。198を1.2でわるような計算になります。そこでいやになってしまうと逆効果なので、計算は電卓でかまいません。この場面で身につけてほしいのは計算力ではなく、「そろえて比べる」という発想そのものだからです。

直し方④:小さい数を大きい数でわる形に慣らしておく

意外な落とし穴が、計算の側にあります。単位量あたりの大きさでは、小さい数を大きい数でわる形が頻繁に出ます。「6平方メートルに4人」なら「6 わる 4」で1人あたり1.5平方メートル。ここまではいいのですが、「4 わる 6」の側になると答えが1より小さくなり、「わり算なのに1より小さくなるのは間違いでは」と手が止まる子がいます。

対処は単純で、答えが1より小さくなることがあると先に伝えておくことです。

  • 「1人あたりの畳の枚数」が0.8枚、というのはあり得る(畳1枚に1人以上いるということ)
  • 「1平方メートルあたりの人数」が0.5人、というのもあり得る(2平方メートルに1人ということ)

計算そのものが怪しい場合は、単元をさかのぼる必要があります。小数のわり算でつまずいている可能性があるので、その場合は小5で小数のわり算がわからない|小数点のつまずきの直し方もあわせて確認してみてください。土台の計算が不安なまま考え方だけ教えても、答えが合わないので子ども自身が納得できません。

直し方⑤:速さは「はじき」より「1時間あたりに進む道のり」で言い直す

速さの単元になると、多くの子が**「はじき」(道のり・速さ・時間を円に書いて覚える図)**を使い始めます。テストを乗り切る道具としては悪くありませんが、これだけに頼ると、①〜③で作ってきた土台が切れてしまうのが難点です。

家庭では、公式を消すのではなく、言い直しを1つ足すのがおすすめです。

  • 速さとは「1時間あたりに進む道のり」のこと。だから 道のり わる 時間
  • 時速40キロメートルとは「1時間あたり40キロメートル進む」ということ
  • だから「3時間走ったら?」は、40が3つ分で 40 かける 3

「時速◯キロ」を必ず「1時間あたり◯キロ進む」と言いかえさせる。 これを口ぐせにするだけで、問題文がひねられても対応できるようになります。「分速に直しなさい」と言われたときも、「1分あたりに直すんだな」と考えられます。

なお、速さの単位換算(時速から分速、分速から秒速)は、この単元でもっとも間違いが多いところです。ここは理屈より、60でわる・60をかけるをどちらの向きに使うかを、1枚の紙に書いて貼っておくほうが実用的です。「1時間は60分だから、時速を分速にするには60でわる」。理由を1回言ってから、あとは貼り紙に頼らせてかまいません。

つまずきが深いときは、戻る学年を見きわめる

①〜⑤をやっても手応えがない場合、原因が5年生の内容ではないことがあります。次の順でさかのぼって確認してみてください。

  • わり算が「いくつ分に分ける」意味でしか理解できていない→ 3年生のわり算の意味(1あたりの数を求めるわり算)に戻る
  • 小数のわり算が怪しい→ 5年生の小数のわり算、さらに4年生の「小数わる整数」に戻る
  • 単位の意味があいまい(平方メートルと平方キロメートル、グラムとキログラム)→ 4年生・5年生の単位の学習に戻る
  • かけ算とわり算のどちらを使うか毎回迷う→ 3〜4年生の文章題に戻る

親としては「5年生の宿題をやらせなければ」と焦りますが、土台が抜けたまま5年生の問題を繰り返しても、労力のわりに進みません。1学年戻るのは遠回りではなく、多くの場合いちばん早い道です。

戻る場所の見つけ方は簡単で、それぞれの学年の問題を2〜3問だけ口頭でやらせてみること。全部やり直す必要はありません。詰まったところが、戻るべき場所です。

立て直しの手段を比べる

とはいえ、共働きなどで親が横についていられる家庭ばかりではありません。手段を整理しておきます。

小5 単位量あたりの大きさ | 立て直しの手段

親が教える・市販ドリル・映像授業の向き不向き

どれか1つに決めず、組み合わせても構いません

考え方から説明できるか前の学年に戻れるか親の手間
親が横で教える 教科書とノートで ○ 身近な例に置きかえて話せる △ 親が内容を思い出す必要がある × つきっきりの時間が要る
市販ドリルで反復 書店・通販で購入 △ 解き方中心で意味は残りやすい △ 別学年のドリルを買い足す必要 ○ 渡せば取り組める
映像授業で学び直す 解説動画つき ○ 単元ごとに解説から見直せる ○ 学年をまたいで戻れる ○ 教える負担が軽い
  • ※効果には個人差があります。合うかどうかはお子さんの性格や生活リズムで変わります。

まなびとこども

市販ドリルは反復には向きますが、「なぜそろえて比べるのか」までは書かれていないことが多く、①のつまずきは残りやすいのが弱点です。一方、映像授業は単元の考え方から順に説明してくれるうえ、前の学年に戻って見直せるので、「3年生のわり算の意味まで戻りたいけれど親が付き合えない」という今回のケースと相性がよい手段です。

親が付き合いきれないときは、戻って学べる教材を試してみる

「そろえて比べる、を自分の言葉で説明できる気がしない」「3年生のわり算まで戻りたいが、そこまで見てあげる時間がない」。そんなときは、さかのぼって学び直せる映像授業をひとつ試してみるのもひとつの手です。合わなければやめてよい、くらいの軽さで始めるのがおすすめです。

映像授業のスタディサプリ小学講座は、公式サイトによると小学1年生から小学6年生までと中学受験対策の講座が用意されています。今回のように「小5の単位量あたりの大きさでつまずいたので、わり算の意味まで戻って確認する」という使い方に向いています。

料金はベーシックコースで月額2,178円(税込)、12か月一括払いなら総額21,780円(税込・月あたり1,815円)。初回は14日間の無料体験がついています(最終確認日:2026-09-01。無料体験はWebサイトからクレジットカード決済で申し込んだ場合が対象と公式に記載されています。最新の料金・条件は必ず公式サイトでご確認ください)。

まずは無料の範囲で「わが子が動画で学ぶのに向いているか」を見てから、続けるかを決めれば十分です。契約を急ぐ必要はありません。

よくある質問(FAQ)

Q. 「はじき」を覚えさせるのは駄目ですか? A. 駄目ではありません。テストを乗り切る道具としては有効です。ただし、それだけだと問題文が少し変わったときに使えなくなりがちです。「時速40キロ=1時間あたり40キロ進む」という言い直しを1つ添えるだけで、丸暗記から抜け出しやすくなります。

Q. わる数とわられる数を、毎回逆にしてしまいます。 A. 式を書く前に「1(何)あたりの、何を求めるの?」と声に出させてください。「あたり」の直前の言葉がわる数という決まりを、1枚の紙に書いて机に貼るのも有効です。式より先に単位を書かせる方法も、同じ効果があります。

Q. 混み具合の問題で、どちらが混んでいるのか判断を間違えます。 A. 「1あたり」を何にしたかで、大小の見方が逆になるのが原因です。「1平方メートルあたりの人数」なら数が大きいほうが混んでいる、「1人あたりの面積」なら数が小さいほうが混んでいる。答えを出したあと、必ず「これは大きいほうが混んでるんだっけ?」と1回聞く習慣をつけると防げます。

Q. 計算がわり切れなくて、いやになってしまいます。 A. 買い物の単価などで練習するときは、電卓を使ってかまいません。この単元で身につけたいのは「そろえて比べる」考え方で、計算力は別の単元の課題です。分けて扱ったほうが、どちらも早く進みます。

Q. 速さの単位換算(時速から分速など)がどうしても覚えられません。 A. ここは理屈より貼り紙が実用的です。「1時間は60分だから、時速を分速にするには60でわる」と1回だけ理由を言い、あとは紙を見ながらでかまいません。毎回思い出す作業をなくすと、その分を考える問題に回せます。

Q. この単元を落としたままだと、あとで困りますか? A. 3学期の「割合」、6年生の「比」や「比例」に、同じ「そろえて比べる」考え方が出てきます。ここでつまずいたままだと、その先も同じ形で詰まりやすいのは事実です。ただ、逆に言えばここを越えれば楽になる場所でもあります。あわてず、①の体感からやり直せば十分間に合います。

まとめ:「そろえて比べる」を1回通せば、あとが軽くなる

単位量あたりの大きさのつまずきは、「①そろえないと比べられないことを体感する → ②『あたり』の直前がわる数だと決める → ③単価で日常につなげる → ④1より小さい答えもあり得ると先に伝える → ⑤速さを『1時間あたり』で言い直す」の順にほぐすのが基本です。それでも進まないときは、3年生のわり算の意味まで戻る。

大事なのは、一度に全部を直そうとしないことです。今つまずいている一段だけを、あせらず一緒に越えていければ十分です。親が付き合いきれないときは、戻って学び直せる教材にそっと頼るのも立派な選択です。まずは畳と人数の話を紙に書いて、「どっちが混んでる?」と聞くところから始めてみてください。

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参考にした情報

※本記事は情報提供を目的としたもので、学習の成果を保証するものではありません(効果には個人差があります)。料金・無料体験の条件は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。