学習の悩み・選び方

小5で小数のわり算がわからない|小数点のつまずきの直し方

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「4年生までの算数はふつうにできていたのに、小数のわり算になったとたん、答えがめちゃくちゃになる」。小学5年生の保護者の方から、よく聞こえてくる悩みです。テストの答案を見ると、計算の途中までは合っているのに小数点の位置だけがずれている。あるいは「7.2 わる 0.9」で答えが8になるのが納得できず、「大きくなるのはおかしい」と言い張る。そんな場面に、どう声をかけていいか迷ってしまいますよね。

先に結論をお伝えします。小数のわり算でつまずく子の多くは、わり算そのものができないのではなく、「小数点をどう動かすか」と「なぜ動かしていいのか」がつながっていないだけです。しかも、つまずきの場所は大きく4つに分かれていて、どこで詰まっているかが分かれば、直し方はほぼ決まります。

この記事では、小数のわり算のつまずきを4つに分解し、それぞれの家庭でのほぐし方、戻るべき学年の見つけ方、そして親が付き合いきれないときの選び方までをまとめました。専門用語は使わずに書いていきます。

そもそも小5の「小数のわり算」は何が新しいのか

まず前提を整理します。小数のわり算は、5年生でいきなり始まるわけではありません。

  • 4年生:小数を「整数」でわる計算(たとえば 7.2 わる 3)を学びます
  • 5年生:小数を「小数」でわる計算(たとえば 7.2 わる 0.9)に進みます

文部科学省の小学校学習指導要領解説(算数編)でも、第4学年では除数が整数である場合の小数の除法を、第5学年では小数どうしのかけ算・わり算を扱うと整理されています。

つまり5年生で新しくなったのは、「わる数のほうにも小数点がついた」という一点だけです。ここがはっきりすると、お子さんへの説明もぐっとシンプルになります。「習うことが全部増えた」のではなく、増えたのは1個だけ。この見方を親が持っているだけで、教えるときの焦りがかなり減ります。

そして、その「1個」を処理するために出てくるのが、わる数の小数点を右に動かして整数にするというルールです。小数のわり算のつまずきは、ほとんどがこのルールの周辺で起きています。

つまずきの正体は4つに分かれる

お子さんの答案を見て、どれに当てはまるかを確かめてみてください。全部を一度に直す必要はありません。

  • ① 小数点を動かす「理由」がわからない:やり方は覚えたが、なぜ動かしてよいのか納得できていない。だから少し形が変わると崩れる
  • ② わられる数の小数点を動かし忘れる:わる数だけ動かして、わられる数はそのまま。商の小数点がずれる
  • ③ あまりの小数点だけルールが違うのを知らない:商の小数点は動かした後の位置、あまりの小数点は動かす前の位置。ここを混同する
  • ④ わり切れないときの処理がわからない:四捨五入して「1/10の位まで」「上から2けた」と言われても、どの位で四捨五入するか分からない

さらに、計算とは別に**「1より小さい数でわると答えが大きくなる」ことが感覚的に受け入れられない**という、意味の面でのつまずきもあります。これは⑤として後で扱います。

以下、ひとつずつ家庭でのほぐし方を見ていきます。

直し方①:小数点を動かしていい理由を「同じ数をかける」で納得させる

小数のわり算の一番の山場は、「わる数とわられる数の両方に同じ数をかけても、答え(商)は変わらない」という性質です。これは数学的にいつでも成り立つ、わり算の基本の性質です。

いきなり小数で説明せず、整数の身近な例で確かめるのがコツです。

  1. まず「6 わる 2 = 3」を紙に書く
  2. 次に、両方を10倍して「60 わる 20」を計算させる。答えはやはり3
  3. さらに両方を100倍して「600 わる 200」。やはり3

ここで、「わる数もわられる数も同じだけ大きくすると、答えは変わらない」ことを、お子さん自身の口で言わせてください。ここが腑に落ちれば、7.2 わる 0.9 を 72 わる 9 に置きかえてよい理由が自分のものになります。

そのうえで、「じゃあ 0.9 を整数にするには何倍すればいい?」と聞きます。「10倍」と答えられたら、「じゃあ 7.2 のほうも10倍しないと答えが変わっちゃうね」とつなげる。この順番で聞くと、②の「わられる数の動かし忘れ」も同時に予防できます。

筆算では、わる数とわられる数の小数点に同じ数だけ矢印を書き込む習慣をつけると、片方だけ動かすミスが目に見えて減ります。

直し方②:商の小数点は「動かした後」、あまりの小数点は「動かす前」

ここは大人でも混乱するところです。ルールを2行に分けて紙に書き、机の前に貼っておくのが実用的です。

  • 商(答え)の小数点:動かした後のわられる数の小数点から、まっすぐ上に上げる
  • あまりの小数点:動かす前の、もとのわられる数の小数点の位置にそろえる

なぜ違うのかというと、あまりは「実際に残っている量」だからです。10倍した世界の数ではなく、もとの大きさのまま残っているので、もとの小数点の位置に戻す必要があります。

「小数点を動かしたのは計算をラクにするための一時的な工夫で、あまりだけは現実の量に戻してあげる」——この一言を添えると、丸暗記ではなくなります。

確かめ方も用意しておくと安心です。わる数 かける 商 たす あまり = もとのわられる数になっていればOK。ここが合わなければ、あまりの小数点がずれているサインです。

直し方③:わり切れないときは「どの位で四捨五入するか」を先に決める

小数のわり算は、わり切れないことがよくあります。教科書では主に2通りの処理をします。

  • 四捨五入して、1/10の位(または1/100の位)までの概数(がい数)で答える
  • 1/10の位まで求めて、あまりも出す

新興出版社啓林館の算数用語集でも、実生活では余りを求める場面がほとんどないため、四捨五入による処理が中心になると説明されています。つまり、5年生でつまずきやすいのは「四捨五入する位を取り違える」ほうです。

家庭で押さえたいポイントは2つだけです。

  • 求めたい位の「1つ下の位」で四捨五入する。「1/10の位まで求めよ」なら、1/100の位を四捨五入する
  • 「上から2けた」と言われたときは、一の位を数に入れないことがある。ここは学校のノートの書き方をそのまま真似させるのが安全

計算を始める前に、「今回はどの位まで出すの?」と一度だけ聞く。これを習慣にすると、最後の処理でのミスがかなり減ります。

直し方④:「1より小さい数でわると大きくなる」を目で見せる

「7.2 わる 0.9 = 8」。わり算なのに答えがもとの数より大きい。これに納得できない子は少なくありません。わり算=小さくなる、という思い込みが邪魔をしているからです。

ここは計算ではなく、言葉に置きかえて説明するのが効きます。わり算には「いくつ分に分ける」だけでなく、「中に何個入るか(いくつ分あるか)」という意味もあります。

  • 「7.2メートルのリボンから、0.9メートルのリボンは何本取れる?」と聞き直す
  • 1本が1メートルより短いのだから、7本より多く取れるのは自然だと気づかせる
  • 逆に「7.2 わる 2」なら、1本が2メートルと長いので本数は減る

わる数が1より小さいときは答えが大きくなり、1より大きいときは答えが小さくなる。 この見通しは、計算後の見直しにもそのまま使えます。「わる数が0.9なのに答えが小さくなった」と気づければ、自分でミスを見つけられるようになります。

つまずきが深いときは、戻る学年を見きわめる

上の①〜④をやっても手応えがない場合、原因が5年生の内容ではないことがあります。次の順でさかのぼって確認してみてください。

  • 小数点の意味そのものがあいまい(0.1が10個で1、など)→ 4年生の小数の仕組みに戻る
  • 小数を整数でわる計算(7.2 わる 3)が怪しい→ 4年生の「小数わる整数」に戻る
  • わり算の筆算そのものが遅い・九九が詰まる→ 3年生のわり算、2年生の九九に戻る
  • 四捨五入・概数が分かっていない→ 4年生の「がい数」に戻る

親としては「5年生の宿題をやらせなければ」と焦りますが、土台が抜けたまま5年生の問題を繰り返しても、労力のわりに進みません。1学年戻るのは遠回りではなく、多くの場合いちばん早い道です。

戻る場所の見つけ方は簡単で、それぞれの学年の問題を2〜3問だけ口頭でやらせてみること。全部やり直す必要はありません。詰まったところが、戻るべき場所です。

直し方の選択肢を比べる

とはいえ、共働きなどで親が横についていられる家庭ばかりではありません。手段を整理しておきます。

小5 小数のわり算 | 立て直しの手段

親が教える・市販ドリル・映像授業の向き不向き

どれか1つに決めず、組み合わせても構いません

どこで詰まったか分かる前の学年に戻れるか親の手間
親が横で教える 教科書とノートで ○ 答案を直接見て分かる △ 親が内容を思い出す必要がある × つきっきりの時間が要る
市販ドリルで反復 書店・通販で購入 △ 解説が薄く原因は残りやすい △ 別学年のドリルを買い足す必要 ○ 渡せば取り組める
映像授業で学び直す 解説動画つき ○ 単元ごとに見直せる ○ 学年をまたいで戻れる ○ 教える負担が軽い
  • ※効果には個人差があります。合うかどうかはお子さんの性格や生活リズムで変わります。

まなびとこども

市販ドリルは反復には向きますが、「なぜ小数点を動かすのか」までは書かれていないことが多く、原因そのものは残りやすいのが弱点です。一方、映像授業は前の学年に戻って見直せるので、「小数わる整数まで戻りたいけれど親が付き合えない」という今回のケースと相性がよい手段です。

親が付き合いきれないときは、戻って学べる教材を試してみる

「教えようとすると口調が強くなってしまう」「4年生の内容まで戻りたいが、そこまで見てあげる時間がない」。そんなときは、さかのぼって学び直せる映像授業をひとつ試してみるのもひとつの手です。合わなければやめてよい、くらいの軽さで始めるのがおすすめです。

映像授業のスタディサプリ小学講座は、公式サイトによると小1から高3までの講座がすべて視聴でき、学年を超えた復習や先取りができると説明されています。今回のように「小5の小数のわり算でつまずいたので、小4の小数わる整数まで戻って確認する」という使い方に向いています。

料金はベーシックコースで月額2,178円(税込)、12か月一括払いなら21,780円(月あたり1,815円)。初回は14日間の無料体験がついています(最終確認日:2026-08-30。無料体験はWebサイトからクレジットカード決済で申し込んだ場合が対象と公式に記載されています。最新の料金・条件は必ず公式サイトでご確認ください)。

まずは無料の範囲で「わが子が動画で学ぶのに向いているか」を見てから、続けるかを決めれば十分です。契約を急ぐ必要はありません。

こちらはあくまで「動画だけでは進まなかったとき」の次の一手です。まずは負担の軽いところから試すので構いません。

よくある質問(FAQ)

Q. 小数点を動かすやり方だけ覚えさせては駄目ですか? A. 当面のテストは乗り切れることがあります。ただし、あまりの処理や、6年生で出てくる分数のわり算(わる数をひっくり返してかける)でも「なぜそうしていいのか」が続けて問われます。理由を1回だけ通しておくと、後の単元が軽くなります。急ぐ必要はないので、余裕のある週末などに扱うのがおすすめです。

Q. 答えは合うのに小数点だけいつもずれます。 A. 筆算の書き方が原因のことが多いです。わる数とわられる数の小数点に同じ数の矢印を必ず書き込む、商の小数点をまっすぐ上に上げる線を引く、といった「書き方の型」を固定すると改善しやすくなります。

Q. あまりを出す問題だけ全部まちがえます。 A. ③のルール(あまりの小数点は動かす前の位置)が抜けているサインです。わる数 かける 商 たす あまり = もとのわられる数の確かめ算をやらせると、自分でずれに気づけるようになります。

Q. 「わり算なのに答えが大きくなるのはおかしい」と納得しません。 A. 計算で説明するより、「7.2メートルから0.9メートルは何本取れる?」のように本数を数える場面に言いかえるのが近道です。1本が短いほど本数は増える、と体感でつかめれば納得しやすくなります。

Q. 4年生まで戻るのは学校の進度に遅れませんか? A. 一時的に宿題は遅れて見えます。ただ、土台が抜けたまま5年生の問題を繰り返しても定着しにくく、結局あとで戻ることになりがちです。詰まった2〜3単元だけ戻るという限定のしかたなら、負担は思ったより小さく済みます。

Q. 教えているとケンカになってしまいます。 A. 親が教えると感情が入りやすいのは自然なことです。教える人や方法を変える(動画にまかせる、第三者に見てもらう)だけで進むことがあります。学習の効果には個人差があるので、うまくいかない方法にこだわらないほうが結果的に早いこともあります。

まとめ:直す順番さえ決まれば、家庭でも立て直せる

小数のわり算のつまずきは、「①小数点を動かす理由を納得する → ②商とあまりで小数点のルールが違うことを整理する → ③わり切れないときの処理を先に決める → ④1より小さい数でわると大きくなる意味を体感する」の順にほぐすのが基本です。それでも進まないときは、4年生の「小数わる整数」まで戻る。

大事なのは、一度に全部を直そうとしないことです。今つまずいている一段だけを、あせらず一緒に越えていければ十分です。親が付き合いきれないときは、戻って学び直せる教材にそっと頼るのも立派な選択です。お子さんが「あ、そういうことか」と言える瞬間を、まずは一つ作るところから始めてみてください。

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参考にした情報

※本記事は情報提供を目的としたもので、学習の成果を保証するものではありません(効果には個人差があります)。料金・無料体験の条件は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。