中1で方程式の文章題が解けない|式が立てられない理由と直し方
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中1の数学で方程式に入ってから、計算問題は解けるのに文章題になると手が止まる。ワークの「方程式の利用」のページだけ白紙のまま、という相談は2学期に増えてきます。親が横で見ても、答えは出せるのに式の立て方を説明できないことがよくあります。
文章題で式が立てられない原因は、4つに分かれます。方程式の計算力とは別のところで止まっている子がほとんどです。どこで止まっているかを見分ければ、家庭で戻る場所と練習の順番が決まります。
この記事でわかること。
- 文章題で式が立てられない4つの原因と、その見分け方
- 家庭で式の立て方を練習する4つの手順
- 家庭の外で見てもらう場合の選び方
式が立てられない原因は4つ
方程式の文章題で止まる原因は、次の4つのどれかに当てはまることがほとんどです。
- 何をxにすればいいか決められない
- 数量を文字の式で表せない
- 「等しい関係」を見つけられない
- 速さや割合など、小学校算数の考え方が抜けている
1つ目は、問題文の「求めるもの」を読み取れていない状態です。2つ目は、1学期に習った文字式の積み残しです。「1個120円のりんごをx個」を「120x円」と書けない子は、方程式の前で止まっています。
3つ目が、文章題の中心になる力です。問題文の中から「同じ量を2通りに表せる場所」を探す作業で、慣れないうちは誰でも時間がかかります。4つ目は、速さ・割合の問題でだけ手が止まる子に多い原因です。方程式ではなく、小5・小6の算数に穴があります。
計算問題の練習を増やしても直らない理由
計算問題は、手順を覚えれば解けます。移項して、xの項と数の項を分けて、両辺を割る。この手順は練習量に比例して速くなります。
文章題は、その手順に入る前の「式を作る」段階で止まっています。計算ドリルを何枚解いても、式を作る練習にはなりません。計算は解けるのに文章題が白紙の子に必要なのは、式を作る段階だけを取り出した練習です。
中1の方程式はいつ習うか
中1の数学で学ぶ内容は、文部科学省の中学校学習指導要領で定められています。一元一次方程式は、xが1つだけの1次方程式です。解き方を身につけたうえで、具体的な場面で使えるようにすることが目標に入っています。文章題は、この「具体的な場面で使う」部分にあたります。
教科書会社の啓林館は、中1数学の学習指導計画案を公開しています。その案では「方程式」の章の配当は16時間です。3学期制の学校では9月から10月上旬に指導する計画になっています(2学期制は7月下旬から9月)。章の後半に「方程式の利用」があり、方程式を作る手順と、出た答えが問題に合っているかを確かめる手順を学びます。
学校や教科書によって時期は前後します。2学期の中間テストの範囲に文章題が入る学校では、9月末から10月がつまずきの見えやすい時期です。
原因を見分ける4つの質問
どこで止まっているかは、1つの問題を使って4つ質問すると切り分けられます。親が方程式の解き方を覚えている必要はありません。使う問題は次のような基本の型で十分です。
1個120円のりんごと1個80円のみかんを合わせて10個買ったら、代金は1000円でした。りんごを何個買いましたか。
質問1「この問題で求めるものは何?」
「りんごの個数」とすぐに答えられなければ、原因は1つ目です。問題文の最後の1文を読む習慣から始めます。
質問2「りんごをx個買ったら、みかんは何個? 代金はいくら?」
「みかんは10−x個」「りんごの代金は120x円」と言えなければ、原因は2つ目です。文字式の単元に戻ります。
質問3「問題の中で、同じ量を2通りに表せるのはどこ?」
「代金の合計が1000円」を指せなければ、原因は3つ目です。ここが文章題の中心なので、家庭での練習の大半をここに使います。
質問4「速さや割合の問題だけ解けない?」
代金や個数の問題は解けて、速さ・割合だけ止まるなら原因は4つ目です。「道のり=速さ×時間」や「2割引=0.8倍」が言えるかを確認します。
参考までに、例題の式と答えは次のとおりです。
- 式:120x + 80(10 − x)= 1000
- 計算:40x = 200 なので x = 5
- 答え:りんご5個(確かめ:120×5 + 80×5 = 600 + 400 = 1000)
家庭で式の立て方を練習する4つの手順
家庭の練習は、1問を最後まで解かせるより、式を作る段階だけを繰り返すほうが効きます。教科書の例題とワークの基本問題を使い、次の4つの手順で進めます。
手順1 求めるものに線を引く
問題文の最後の「〜は何個ですか」「〜は何分後ですか」に線を引かせます。線を引いた量を、そのままxにします。最初はこの手順だけで1問1分もかかりません。
求めるもの以外をxに置く解き方もあります。ただ、慣れないうちはxが何を表すかで混乱します。最初の1か月は「求めるものをxにする」と決めておくと迷いが減ります。
手順2 わかっている数量を表に書き出す
問題文の数を、表の形に整理させます。例題なら次のような表です。
| りんご | みかん | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 1個の値段 | 120円 | 80円 | ― |
| 個数 | x個 | 10−x個 | 10個 |
| 代金 | 120x円 | 80(10−x)円 | 1000円 |
表を書くと、空いているマスが「文字の式で表す場所」になります。線分図や表を自分で書けるようになると、問題文を読み直す回数が減ります。 速さの問題なら、速さ・時間・道のりの3行で同じ表が作れます。
手順3 言葉の式を先に作る
いきなり文字で式を書かせず、「りんごの代金+みかんの代金=1000円」のように言葉で等式を作らせます。言葉の式ができたら、手順2の表から文字の式を当てはめます。
言葉の式で止まる場合は、問題文の中の「合わせて」「等しい」「同じ」「余る」「足りない」に印をつけさせてください。等しい関係は、たいていこうした言葉の近くにあります。
手順4 答えを問題文に戻して確かめる
出た答えを、問題文の数に当てはめて合っているかを確かめさせます。個数がマイナスや小数になったら、式か計算のどこかが違っています。
啓林館の計画案にも、方程式の解が問題に合っているかを確かめる手順が入っています。テストでは、単位や条件に合わない答えでも点を落とします。確かめの1行を毎回書く習慣が、点数に直結します。
1日の練習量の目安
1日に解かせる文章題は2〜3問で十分です。そのかわり、4つの手順を毎回声に出して確認します。答えを出すまで進まず、手順3の言葉の式までで止める日があってもかまいません。
型別のつまずきと直し方
中1の文章題は、よく出る型がいくつかに決まっています。子どもがどの型で止まっているかを確認すると、戻る場所が絞れます。
代金・個数の問題
例題と同じ型です。止まる原因の多くは「10−x個」が出てこないことにあります。合計の個数が決まっている問題では、片方をx個とすると、もう片方は「合計−x」個です。この関係を表で確認します。
過不足の問題
「子どもにあめを1人3個ずつ配ると5個余り、4個ずつ配ると3個足りない」のような問題です。子どもの人数をx人とすると、あめの個数を2通りに表せます。
- 3個ずつ配った場合:3x + 5(個)
- 4個ずつ配った場合:4x − 3(個)
あめの個数は同じなので、3x + 5 = 4x − 3 となり、x = 8です。子どもは8人、あめは29個になります。「余る」は足す、「足りない」は引く、の向きで迷う子が多い型です。 実際に10円玉などを並べて確かめると、向きの取り違えが直りやすくなります。
速さの問題
「弟が分速60mで家を出た10分後に、兄が分速100mで追いかけた。兄は出発してから何分後に追いつくか」のような問題です。兄が出てからの時間をx分とすると、弟はx+10分歩いています。
追いついたときは2人の進んだ道のりが等しいので、100x = 60(x + 10)となり、x = 15です。この型で止まる子は、「道のり=速さ×時間」があいまいなことが多いです。小5の速さに戻る場合は、小5で速さがわからない|はじきを使っても解けない理由で戻る範囲を確認できます。
割合の問題
「定価の2割引で買ったら960円だった。定価はいくらか」のような問題です。定価をx円とすると、2割引は「xの0.8倍」なので、0.8x = 960となり、x = 1200です。
「2割引」を「x−0.2」と書いてしまう子は、割合の考え方が抜けています。小5の割合から確認すると、中1の文章題だけでなく中2以降の問題にも効いてきます。
中1数学 | 方程式の文章題
型別のつまずきと戻る場所
止まっている型によって、戻る単元が変わります
| つまずきやすい点 | 戻る場所 | 家庭で直せるか | |
|---|---|---|---|
| 代金・個数 合計が決まっている | △ 「合計−x」が出てこない | ○ 中1の文字式 | ○ 表を書けば直しやすい |
| 過不足 余る・足りない | △ 足す・引くの向きを取り違える | ○ 中1の文字式 | ○ 具体物で確かめやすい |
| 速さ 追いつく・出会う | △ 時間のずれを式にできない | △ 小5の速さ | △ 算数の穴が大きいと時間がかかる |
| 割合 割引・増加 | △ 「2割引」を0.8倍と書けない | △ 小5の割合 | △ 算数の穴が大きいと時間がかかる |
- ※どの型でつまずくかは子どもによって違います。ワークの間違えた問題を型ごとに数えると、戻る場所が決まります
まなびとこども
家庭でやりがちな失敗
家庭で文章題を見るときに、つまずきを長引かせてしまう関わり方が3つあります。
失敗1 親が式を先に書いてしまう
子どもが止まっていると、式を書いて見せたくなります。式を見れば子どもは計算できるので、その場は解けたように見えます。ところが、式を作る段階の練習は一度もしていません。親が手を出すのは「表のどこが空いている?」と聞くところまでにします。
失敗2 解答の式を写して終わる
ワークの解答を見て、式を写して丸をつける。この流れでは、次の問題でまた同じところで止まります。解答を見た場合は、閉じてから同じ問題を表から書き直させると、式を作る練習になります。
失敗3 計算問題だけ繰り返す
計算問題は点が取れるので、子どもも取り組みやすい教材です。ただ、文章題のつまずきは計算力では直りません。計算が8割以上合っているなら、練習の中心を文章題の式作りに移します。
家庭以外で見てもらう選択肢
文章題のつまずきは、解いている途中を見てもらうと原因が早く分かります。答案だけでは、xの置き方で迷ったのか、等しい関係で止まったのかが区別しにくいためです。
最初に頼りたいのは学校の先生です。定期テストの出題範囲をよく知っていて、費用もかかりません。質問に行く時間が取れない場合や、数学のほかに英語でも点が落ちている場合に、家庭の外の指導が候補になります。
| 手段 | 途中の考え方を見てもらえるか | 費用 |
|---|---|---|
| 親が家で見る | 4つの質問で大まかに分かる | かからない |
| 学校の先生に質問する | 授業の前後や放課後の限られた時間 | かからない |
| 通信教育・映像授業 | 解説は読めるが、途中は見てもらえない | 月額の費用がかかる |
| オンライン家庭教師 | 1対1で、画面越しに途中を見てもらえる | 月額の費用がかかる |
オンライン家庭教師を使う場合
中学生のオンライン家庭教師の1つにオンライン家庭教師ネッティーがあります。家庭教師のノーバスが運営するサービスです。公式サイトによると、ビデオ通話とオンラインホワイトボードを使った1対1の授業で、小学生から高校生までが対象です。
料金は中学1年生の場合、1コマ50分・週1回(月4回)で月13,000円(税込14,300円)と表示されています。入会金は0円です。教材は自由で、高額教材の販売はないと案内されています。無料体験を受け付けていますが、体験の時間や回数は公式サイトに明記がありませんでした。申し込み時に確認してください(最終確認日:2026-09-24)。
ホワイトボードに式を書きながら説明を受けられます。「どこで止まったか」を講師と一緒に確かめる使い方と相性がいい形式です。一方、画面越しの指導が合うかどうかは子どもによって差があります。週1回でも毎月の費用はかかるため、文章題だけを見てもらうなら期間を区切ると負担を抑えられます。まず無料体験で子どもの反応を見て、合わなければ見送ってかまいません。
1学期の正負の数や文字式から崩れている場合は、中1で数学についていけない|つまずく単元と2学期の立て直し方で戻る範囲を先に確認してください。
よくある質問
小学校の文章題も苦手だった場合
関係があります。小学校の文章題で使う力が、中1でもそのまま使われます。「何を求めるか」「どの数とどの数を比べるか」を読み取る力です。方程式は、その読み取りを文字で書く道具です。読み取りに穴があると、道具を変えても同じ場所で止まります。
線分図と表のどちらを使うか
代金・個数・速さは表、割合や過不足は線分図が書きやすい子が多いです。学校の授業で使っている図に合わせると、先生の説明ともつながります。どちらか1つに決めて、同じ書き方を繰り返すほうが定着します。
文章題を捨てて計算で点を取る考え方
定期テストの点だけを見れば、計算問題で点を取る方法もあります。おすすめはしません。中2の連立方程式や一次関数でも、式を作る力を使います。中1のうちに基本の型だけでも式を作れるようにしておくと、中2での負担が減ります。
解けるようになるまでの期間
個人差があり、期間は約束できません。判断材料にするなら、2週間後に同じ4つの質問をもう一度して、答えられる質問が増えたかを見てください。テストの点より早く変化が確認できます。
高校入試にも出るか
方程式を使う文章題は、高校入試の出題範囲に含まれます。出題の形は都道府県や学校によって違うため、志望校の過去問で確認してください。
まとめ
中1の方程式の文章題で止まる原因は、計算力ではありません。xの置き方・文字の式・等しい関係・小学校算数の穴のどれかで止まっています。
- 4つの質問で、どこで止まっているかを切り分ける
- 家庭では「線を引く→表→言葉の式→確かめ」の順で、式作りだけを練習する
- 速さ・割合だけ止まるなら、小5の算数まで戻る
- 途中を見てもらう人が必要なら、学校の先生から頼り、足りない分を外部で補う
文章題は、型に慣れるまでに時間がかかる単元です。1日2〜3問でも、式作りの手順を毎回くり返すことが立て直しの近道になります。
あわせて読みたい
参考にした情報
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」数学 第1学年 A 数と式(一元一次方程式)
- 啓林館「未来へひろがる数学1 学習指導計画案」(方程式の章の配当時数と指導時期)
- オンライン家庭教師ネッティー 公式サイト(料金ページ・トップページ、最終確認日:2026-09-24)
※本記事は情報提供を目的としたもので、学習の成果を保証するものではありません(効果には個人差があります)。料金・無料体験の条件は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。