小5で速さがわからない|はじきを使っても解けない理由
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「はじきの図は書けているのに、テストになると点が取れない」。5年生の2学期、速さの答案を見てそう感じるご家庭は少なくありません。円を三つに区切った図はノートの端に書いてある。それでも分速に直す問題で止まる。時間が「45分」になったとたん手が動かなくなる。
先に結論をお伝えします。**速さでつまずく子の多くは、公式を忘れているのではありません。**速さという数が「1時間あたりに進む道のり」だと結びついていないため、図が使える場面と使えない場面を見分けられないだけです。
この記事でわかることは3つです。
- お子さんのつまずきが4つの型のどれに当てはまるか
- 型ごとの、家庭での直し方の順番
- 2週間続けても答案が変わらないときの戻り先
速さがわからない子の共通点
速さは5年生で習う単元です。文部科学省の小学校学習指導要領では、速さは第5学年の「異種の二つの量の割合」として位置づけられています。保護者世代には6年生の記憶がある方もいますが、いまは5年生の内容です。
教科書では、速さの前に「単位量あたりの大きさ」を学びます。混み具合や人口密度、単価を扱う単元です。速さはその続きに置かれています。
- 混み具合:1平方メートルあたりの人数
- 人口密度:1平方キロメートルあたりの人数
- 単価:1個あたりの値段
- 速さ:1時間あたりに進む道のり
つまずく子の答案を見ると、この並びから速さだけが切り離されています。「あたり」の考え方が抜けたまま、はじきの図だけが手元に残っている状態です。
この状態でも、時速や道のりをそのまま聞かれる問題は解けます。点が落ちるのは、単位が時速から分速に変わったとき、時間が45分のように1時間未満で出てきたときです。学校のテストは後半にその形を並べます。「わかっているはずなのに点が低い」という結果は、ここで生まれます。
前の単元でも止まっているようなら、速さより先に手を入れる場所があります。判断の仕方は小5で単位量あたりの大きさがわからない|家庭での教え方にまとめました。
つまずきの型は4つ
速さの失点は、大きく4つに分かれます。答案のどこで止まっているかで、手当ての場所が変わります。
- 型A・意味:速さが何を表す数なのかが定まっていない
- 型B・式の選択:わる数とわられる数を取りちがえる
- 型C・単位換算:時速から分速、分速から秒速で崩れる
- 型D・時間の形:45分や1時間30分のように、時間が1時間ちょうどでないと止まる
見分けは口頭で4問聞くだけで済みます。紙は1枚で足ります。
- 「時速40kmって、どういう意味?」(型A)
- 「120kmを3時間で走った車の時速は?」(型B)
- 「時速36kmは分速何m?」(型C)
- 「時速4kmで45分歩くと何km進む?」(型D)
1で答えが出ないなら、他の型を練習しても戻ってきます。手をつける順番は、番号の若いほうからです。
直し方①1時間あたりへの言い直し
型Aの子には、公式を書かせる前に言い直しをさせます。時速40kmを「1時間に40km進む速さ」と口に出す、それだけです。
やることは5分で終わります。
- 「時速40km」と紙に書く
- 「1時間で40km」と下に書き足す
- 「じゃあ2時間だと?」と聞く(80km)
- 「3時間だと?」と聞く(120km)
ここでかけ算だと自分で気づかせるのが目的です。「速さ×時間=道のり」と先に教えてしまうと、公式を1つ増やしただけで終わります。
逆向きも1回通します。「120kmを3時間で走った」と伝え、1時間分を出させます。120÷3で40。わり算は「1時間分に直す作業」だと言葉にしておくと、型Bの取りちがえが減ります。
直し方②はじきを使う条件
はじきの図そのものは、悪い道具ではありません。テストで時間が足りない子には助けになります。問題は、意味の理解を飛ばして図だけを渡した場合です。
速さの式を思い出す道具は、実際には3つあります。
小5 算数 | 速さの式
速さの式を思い出す3つの道具
答えはどれでも同じです。応用問題での粘りに差が出ます
| 意味が残るか | テスト中の速さ | ひねられた問題への強さ | |
|---|---|---|---|
| ことばの式 1時間あたりに進む道のり | ○ 毎回作り直せる | △ 慣れるまで手が遅い | ○ 文章が変わっても戻れる |
| はじきの図 円を三つに区切る | × 図の位置しか残らない | ○ 当てはめるだけで済む | △ 単位換算が絡むと崩れる |
| 単位から決める kmを時でわると時速 | △ 単位の意味は先に要る | ○ 慣れれば手が速い | △ 単位が省かれると使えない |
- ※どの道具を使っても答えは同じです
- ※はじきだけに頼ると、単位換算や時間が分の問題で戻る場所がなくなります
まなびとこども
家庭で決めるのは、順番だけです。**ことばの式を1回通してから、はじきを使わせる。**すでに図から入ってしまった子でも、直し方①を1度やれば順番は入れ替えられます。
図を取り上げる必要はありません。「図で答えを出したあと、1時間で何km進むのか言ってみて」と1問だけ確かめる。この一言があるかどうかで、3学期の割合まで持つかが変わります。
直し方③単位換算は2段階
型Cの換算は、1回の計算で片づけようとすると崩れます。長さと時間を分けて、2段階で直します。
時速36kmを分速に直す例です。
- 長さをそろえる:36km は 36000m
- 時間をそろえる:1時間は60分なので、36000÷60=600
答えは分速600mです。秒速にするなら、600をさらに60でわって秒速10mになります。
向きの判断は1文で足ります。**1あたりの時間が短くなるほど、数は小さくなる。**時速から分速は数が小さくなるのでわり算、分速から時速は大きくなるのでかけ算です。この一文を紙に書いて、机に貼っておきます。
覚え方の変換表を丸暗記させると、少し形を変えられたときに戻れません。表ではなく、上の2段階と1文だけを残します。
小数のわり算そのものが不安定な場合は、換算の練習より先にそちらを直します。手順は小5で小数のわり算がわからない|小数点のつまずきの直し方にまとめています。
直し方④時間が分や小数になる問題
型Dは、教科書の後半とテストの最後に出ます。「時速4kmで45分歩くと何km進むか」という形です。
止まる理由ははっきりしています。4×45と書いてしまうからです。時速は1時間あたりの数なので、時間の単位も「時間」にそろえる必要があります。
- 45分は 45÷60=0.75時間
- 4×0.75=3
答えは3kmです。よく出る分は3つだけなので、先に覚えてしまうほうが速く進みます。
- 15分=0.25時間
- 30分=0.5時間
- 45分=0.75時間
1時間30分のような形は、1.5時間に直します。時計の読み方ではなく、60分を1とした割合に直す作業だと言い切っておくと迷いが減ります。
逆に、分速で聞かれているのに時間だけ「時間」で書いてある問題もあります。文章題そのものが苦手なお子さんは、速さに限らず読み取りで止まっている可能性があります。読み取りの直し方は小学生が算数の文章題でつまずく原因と家庭での教え方を参考にしてください。
答えの単位で落とす点
計算は合っているのに×がつく答案があります。多いのは2つです。
1つは、単位の書き忘れです。速さの答えは「時速40km」「分速600m」「秒速10m」のように、時速・分速・秒速まで書いて1つの答えになります。数字だけでは何の速さか決まりません。
もう1つは、聞かれている量の取りちがえです。道のりを聞かれて時間を答える形です。見分ける手がかりは問題文の最後にあります。「何km」なら道のり、「何時間」なら時間、「時速何km」なら速さ。読み終えたら、聞かれている言葉に丸をつけてから式を書かせます。
この2つは理解の問題ではないため、直すのに時間はかかりません。答案を1枚見直して、丸のつけ忘れがないか確認するだけで点が戻ることがあります。
2週間で動かないときの戻り先
型Aから順に手当てをして2週間たっても答案が変わらないときは、速さより前の学年に原因があります。よくある戻り先は3つです。
- わり算が「1あたりを出す計算」だと結びついていない(小3)
- 小数のかけ算・わり算で小数点がずれる(小4から小5)
- 単位量あたりの大きさが入っていない(小5の前半)
戻る場所が見つからないまま問題数だけを増やすと、算数そのものを嫌いになります。速さは3学期の割合、6年生の比例と速さの応用につながる単元なので、ここで積み残すと影響が長く続きます。
ここまで来たら、教える相手を親から外に移す段階です。家庭から選べる手は大きく2つあります。学年をさかのぼって戻れる個別指導と、単元だけを聞き直す映像授業です。戻り先が1つに絞れないときは、前者のほうが空回りしにくくなります。
無料の範囲で「戻る場所を一緒に探してくれるか」を見てから決めれば足ります。合わなければ見送って構いません。
戻る学年が特定できていないうちに映像授業だけを渡すと、どの動画を見ればよいか本人が決められず止まります。順番を間違えないようにしてください。
よくある質問
Q. はじきの図は禁止したほうがよいですか
禁止する必要はありません。テストで時間が足りない子には有効な道具です。条件は、図で答えを出したあとに「1時間で何km進むのか」を言えることです。言えないまま図だけが残ると、単位換算と時間が分の問題で崩れます。
Q. 速さは6年生で習うと思っていました
いまの小学校学習指導要領では第5学年の内容です。単位量あたりの大きさと同じ学年に置かれています。6年生では、比例の考え方と組み合わせた応用として再び出てきます。
Q. 時速・分速・秒速の変換だけがどうしてもできません
長さと時間を1度に直そうとしていないか確認してください。km を m に直す、次に時間を分に直す、という2段階に分けます。それでも迷うときは「1あたりの時間が短いほど数は小さい」の1文を机に貼り、判断はその紙に任せて構いません。
Q. 計算は合うのに答えに×がつきます
単位の書き忘れが多い型です。速さの答えは「時速40km」のように、時速・分速・秒速まで書いて1つの答えになります。答案を見直して、数字だけで終わっている答えがないか確認してみてください。
Q. 塾に通わせるほどではない気がします
速さの1単元だけで止まっているなら、家庭での手当てと映像授業で足りることがあります。判断の目安は、この記事の型Aで詰まるかどうかです。型Aで止まる場合は前の学年に原因があるため、戻り先を見てもらえる相手を探すほうが早く済みます。
まとめ
小5の速さは、公式そのものより「1時間あたりに進む道のり」という言い直しで決まります。最初にやるのは、4問を口頭で聞いて型を見分ける作業です。手をつける順番は、①意味 → ②式の選択 → ③単位換算 → ④時間の形です。
家庭での手当ては短くて足ります。時速40kmを「1時間で40km」と言い直す。はじきはことばの式のあとに使わせる。換算は長さと時間の2段階に分ける。45分は0.75時間に直す。直すのは1度に1か所です。
2週間続けて答案が変わらないときは、問題数を足すより、止まっている学年を外の目で見てもらう段階です。速さは3学期の割合につながるため、ここで区切りをつけておくと後が軽くなります。
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参考にした情報
- 文部科学省「小学校学習指導要領」算数(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/san.htm)
- 松陰スタディ(ネット松陰塾)公式サイト(https://www.showin.co.jp/showinstudy/)
- スタディサプリ小学講座 公式サイト(https://studysapuri.jp/course/elementary/)
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