小4で2けたのわり算の筆算ができない|商の見当と立て直し方
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「3年生のわり算はできていたのに、2けたでわる筆算になったとたん手が止まる」「何度教えても、商が大きすぎたり小さすぎたりして、そのたびに書き直しでイヤになってしまう」——2学期に入ってから、こんな相談が急に増えます。プリントが消しゴムのカスだらけになって、お子さんも親御さんもぐったり……という光景は、決してめずらしいものではありません。
先に結論をお伝えします。2けたでわるわり算の筆算でつまずく子の多くは、「わり算がわからない」のではなく、①商をたてる位を見つける、②商の見当をつける、③見当が外れたときに直す、という3か所のどこかで止まっています。しかもこの3つは、どれも家庭でほぐせるものです。逆に言えば、どこで止まっているかを特定しないまま「もう一回やってごらん」をくり返すのが、いちばん時間がかかるやり方になってしまいます。
この記事では、つまずきの場所を見分ける方法と、家庭でできる教え方の順番、そして親が教えきれないときの選び方までをまとめました。
なぜ2学期に急に難しくなるのか
「2けたでわるわり算の筆算」は、4年生の2学期に学習することが多い単元です(進研ゼミ保護者通信)。3年生や4年生前半の「1けたでわるわり算」とくらべて、急に手数が増えるのがこの単元の特徴です。
1けたでわるときは、九九を1回思い出せば商が決まりました。ところが2けたでわると、九九がそのまま使えません。「252わる36」の商は、九九には出てこないからです。そこでいったん見当をつけて、合っていなければ直すという、それまでになかった作業が加わります。
この「見当をつけて直す」という考え方は、大人には当たり前でも、子どもにとっては初めて出会う進め方です。一発で正解を出す計算に慣れてきた子ほど、「間違えて直す」ことそのものに抵抗を感じます。「またちがった」と落ち込んで手が止まっているなら、計算力ではなく気持ちのほうでつまずいている可能性もあります。
そしてこの単元は、あとの学習にもつながります。ベネッセの解説では、ここでの苦手が「小数わる整数のわり算」の原因になり、さらに5年生の「小数のわり算」「割合」「速さ」「平均」「単位量あたりの大きさ」にも影響すると説明されています。2学期のうちに一度立て直しておく価値は、じゅうぶんにあります。
つまずきは4か所しかない:まずどこで止まっているか見分ける
ベネッセの解説では、この単元のつまずきポイントとして次の4つが挙げられています。
- どこの数字を見比べて、どこに商をたてればよいのかわからない
- 九九を唱えてたてる商を見つけることができない
- 2けた かける 1けたのかけ算を、正しく暗算できない
- 商が大きすぎたときに、どうしたらよいのかわからない
見分け方はかんたんです。お子さんの横で1問だけ解いてもらい、鉛筆が止まった瞬間に何をしていたかを見ます。
- 筆算を書いたきり、最初の数字が書けない → ①商をたてる位
- 商を書こうとして、指を折ったり長く考え込む → ②商の見当
- 商は書けたが、下のかけ算の答えがずれている → ③かけ算の暗算
- かけ算をしてから「あれ?」と全部消す → ④仮の商の直し方
このどれかが分かるだけで、家でやることが決まります。全部やり直す必要はありません。
教え方①:見なくてよい数字を指で隠す
「どこに商をたてるか」で止まる子には、見なくてもよい数字をいったん指で隠す方法が有効です(進研ゼミ保護者通信)。
たとえば「221わる32」なら、こんな順番になります。
- 一の位の「1」を指で隠して、「22わる32」ができるかを見る
- 22は32より小さいので、ここには商が立たないと確認する
- 指を離して「221わる32」で考える。今度は商が立つ
数字の列を全部いっぺんに見ようとするから難しいのであって、視野を狭くしてあげるだけで解ける子は多いです。指のかわりに、消しゴムを置いてもかまいません。
教え方②:わる数を「何十」に丸めて見当をつける
商の見当がつけられない子には、わられる数とわる数をそれぞれ大きくとらえ直してから商を考えるやり方を教えます(同上)。
「252わる36」なら、36をだいたい「30とか40」と見て、25わる3のように考えて商のあたりをつけます。実際、教員向けの授業例でも「252わる36」で「25わる3で8」と見当をつける進め方が紹介されています(みんなの教育技術)。
ここでポイントになるのが、4年生ですでに習っている「がい数(およその数)」の感覚です。がい数があいまいだと、そもそも「36を30とみる」という発想が出てきません。もし四捨五入があやしいようなら、そちらを先に軽く戻すほうが近道です。くわしくは小4でがい数がわからない|四捨五入のつまずきと教え方のコツにまとめています。
声かけとしては、「正解を当てなくていいよ。だいたいでいいから、まず1つ書いてみよう」がおすすめです。見当は外れる前提のもの。ここを共有できると、次の③がぐっとラクになります。
教え方③:外れた商の立て直しを型にする
「商の立て直し」とは、見当でたてた商が大きすぎたり小さすぎたりしたときに、1ずつ変えてたて直すことです。 教科書や先生向けの資料では、見当でたてた商を「仮商(かしょう)」、正しい商を「真商(しんしょう)」と呼び、この直しを「仮商の修正」と言います(啓林館 算数用語集「仮商と真商」)。
この単元でいちばん多い相談が、「商が大きすぎたときにどうしたらいいか分からない」です。ここは気合いではなく、決まった型を覚えるところだと割り切ってください。
型はたった2つです。
- ひけなかったら、商を1小さくする(かけた答えが上の数より大きくなったとき)
- あまりがわる数以上になったら、商を1大きくする
前者は、教員向けの授業例でも「36と8をかけると288になってひけません」「商を減らして7にすればよい」という子どもの言葉として紹介されています(みんなの教育技術)。後者は、あまりのあるわり算で習った「あまりはわる数より小さい」というルールがそのまま使えます。この感覚があいまいなら、あまりのある割り算がわからない子への教え方も合わせて見直してみてください。
家庭では、この2行を紙に書いて筆算プリントの横に貼っておくのが効きます。困ったときに親を呼ばず、自分で紙を見て直せるようになると、それだけで詰まる回数が減ります。ベネッセの解説でも、あまりが大きすぎないかを最後にチェックする習慣づけがすすめられています。
教え方④:じつは「かけ算」でつまずいていることも多い
わり算の筆算は、中身の半分がかけ算と引き算です。2けた かける 1けたの暗算が不安定だと、わり算の答えは絶対に合いません。
- 商を書いたあとのかけ算だけを、5問ほど別の紙でやってもらう
- くり上がりの数を頭の中に置かず、小さくメモする習慣をつける
- 引き算のくり下がりでミスが出ていないかも見る
ベネッセの解説でも、かけ算の筆算の反復演習と、くり上がりの数をメモする習慣が対策として挙げられています。わり算の練習量を増やす前に、かけ算のほうを整えるほうが結果的に早いケースは少なくありません。
それでも進まないとき:家庭での立て直し方3つを比べる
ここまでの手順を試しても進まないとき、家庭でとれる手は大きく3つです。どれが優れているという話ではなく、ご家庭の時間と、お子さんの詰まり方によって向き不向きが変わります。
小4 わり算の筆算 | 家庭での立て直し方
親が教える・動画で戻る・1対1で見てもらう
つまずきの場所を見つけやすいか、親の時間がどれだけ要るかで選び分けます
| つまずきの場所を見つけやすいか | 親の付き添い時間 | 始めるまでの手軽さ | |
|---|---|---|---|
| 親が教える 今日からできる | △ 横で見れば分かるが、感情が入りやすい | × 毎回つきっきりになりやすい | ○ 今日この場で始められる |
| 動画・教材で戻る 自分のペース | △ どこまで戻るかは自分で選ぶ必要がある | △ 戻る単元を選ぶところは親が手伝う | ○ 申し込んだ日から視聴できる |
| 1対1で見てもらう オンライン家庭教師など | ○ その場で解かせて詰まる箇所を特定しやすい | ○ 授業中は親が離れていられる | △ 体験の予約や機材の準備が必要 |
- ※効果の出方にはお子さんとの相性による個人差があります。
- ※料金・無料体験の条件は各社で変わるため、申し込み前に公式サイトでご確認ください。
まなびとこども
**「どこで止まっているのかが、親では見つけられない」**というご家庭には、1対1で解くところを見てもらう方法が向いています。この単元は、答えが合わない原因が商・かけ算・引き算のどこにあるか外から見えにくいため、解いている手元を見てもらえるかどうかで立て直しの速さが変わります。
運営は創業43年の家庭教師のノーバスで、小学生コースが用意されています(公式サイト記載・最終確認日:2026-09-05)。月謝など料金の詳細は公式サイトでご確認ください。
いっぽう、**「3年生のわり算まで戻って、本人のペースで見直したい」**という場合は、学年をまたいで見られる映像教材のほうが気楽です。
注意点:やってはいけない3つ
立て直しのときに、かえって遠回りになりやすいやり方もあります。
- 量で解決しようとする:原因が分からないまま枚数を増やすと、間違った手順を反復してしまいます。まずは1問を横で見るほうが早いです
- その場で全部を直そうとする:商の位・見当・かけ算・引き算を一度に指摘されると、子どもは何を直せばいいか分からなくなります。1回につき直すのは1か所にしてください
- 消しゴムでの書き直しを責める:この単元は、直すことが前提の計算です。「消した回数」を責めると、見当を書くこと自体をこわがるようになります
また、親が教えるとケンカになるというのは、能力の問題ではなくよくあることです。人を替えるだけで進む場合もあります。この点は小学生に勉強を教えるとケンカになる|親が教えない切り替え方でくわしく書いています。
よくある質問
Q. 学校の進度に間に合わせるべきですか。 A. あせって追いつくよりも、商の見当のつけ方だけでも定着させるほうが優先です。この考え方はあとの小数のわり算でもそのまま使うため、今つまずいたまま進むほうが影響が長引きます。
Q. 筆算ではなく、電卓や暗算でもいいのでは? A. この単元のねらいは答えを出すことより、「見当をつけて修正する」考え方を身につけることにあります。あとの割合や単位量あたりの大きさで、おおよその見当を立てる力が効いてきます。
Q. 何分くらい練習させればいいですか。 A. 決まった正解はありませんが、この単元は1問あたりの手数が多いため、枚数ではなく「1日3問を、直し方まで一緒に確認する」ほうが負担が少なく続きやすいです。
Q. 学校の先生に相談してもいいですか。 A. もちろんです。「うちの子はどの段階で止まっていそうか」を聞くだけでも、家庭でやることが絞れます。
Q. 無料体験は受けたら申し込まないといけませんか。 A. 各社で条件が異なります。申し込みの義務や勧誘の有無は公式サイトの記載を確認し、合わないと感じたら見送ってかまいません。
まとめ:直すのは1か所ずつでいい
2けたでわるわり算の筆算は、4年生の2学期でいちばん手数の多い単元のひとつです。だからこそ、つまずきの場所は「商をたてる位」「商の見当」「かけ算の暗算」「仮の商の直し方」の4つに絞られます。
家庭でやることは、1問だけ横で見て、止まった場所を1か所だけ直す。指で隠す、わる数を何十とみる、直し方の2行を紙に貼る——できそうなところから1つで大丈夫です。
見当が外れることは失敗ではなく、この計算の正しい進め方です。「1回で当てなくていい」と伝えてあげるだけでも、鉛筆が動きはじめることがあります。親御さんが付き合いきれないときは、映像教材や1対1の力をそっと借りるのも、じゅうぶんに良い選択です。
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参考にした情報
- 4年生の難単元「2けたでわるわり算の筆算」のつまずき解消法とは?|進研ゼミ保護者通信(ベネッセ)
- 小4算数「2けたでわるわり算の筆算」指導アイデア|みんなの教育技術(小学館)
- オンライン家庭教師ネッティー(公式)
※本記事は情報提供を目的としたもので、学習の成果を保証するものではありません(効果には個人差があります)。料金・無料体験の条件は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。