中3理科でイオンがわからない|電子の数とイオン式で止まる理由
学習の悩み・選び方

中3理科でイオンがわからない|電子の数とイオン式で止まる理由

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中3の理科で「イオン」に入ったら、ワークの問題が白紙で返ってきた。Na⁺やCl⁻の記号を見ただけで手が止まり、何を聞かれているのかも分からない。そんな相談は、この単元に入る時期に増えます。

結論から書くと、つまずく原因は4つに分かれます。原子のつくり、電子の出入りと+-の向き、イオン式の書き方、電離の式の個数合わせです。止まっている場所を見分ければ、親が化学を覚えていなくても直す順番を決められます。

イオンでつまずく原因は4つ

手が止まる原因は、次の4つのどれかに当てはまることがほとんどです。

イオンの勉強で悩む中学生のイメージ
  1. 原子の中に陽子と電子があることがあいまい
  2. 電子を失うと+、受け取ると-になる向きを逆に覚えている
  3. イオン式の右上の数字と符号が書けない
  4. 電離の式で、左右のイオンの数がそろわない

1つ目と2つ目は考え方の問題です。3つ目は覚え方の問題で、4つ目は1〜3を組み合わせる式の問題で起きます。原因ごとに直し方が違うため、まとめて「暗記が苦手」と扱うと遠回りになります。

目に見えない話が続く単元

イオンが難しく感じられる理由の1つは、実験で見えるものと、頭の中で考えるものの距離が遠いことです。中2の化学変化では、銅が黒くなる、重さが増えるといった変化が目に見えました。イオンでは、電子1個の出入りという見えない話が中心になります。見えない話を図で置きかえられるかどうかが、この単元の分かれ目です。

中3理科で習うイオンの中身

イオンは、中3理科の「化学変化とイオン」の中で学びます。教科書では、おおむね次の順番で進みます。

  • 水溶液に電流が流れるものと流れないものがあること
  • 原子のつくりとイオン(陽イオン・陰イオン)
  • 電解質が水に溶けてイオンに分かれること(電離)
  • 金属のイオンへのなりやすさと電池
  • 酸・アルカリと中和

習う時期と順番は、教科書と学校によって違います。定期テストの範囲表か教科書の目次で、単元がいつになるかを確かめてください。

よく出るイオンの一覧

テストで書かされることが多いイオンは次のとおりです。

種類イオンイオン式
陽イオン水素イオンH⁺
陽イオンナトリウムイオンNa⁺
陽イオン銅イオンCu²⁺
陽イオン亜鉛イオンZn²⁺
陽イオンマグネシウムイオンMg²⁺
陰イオン塩化物イオンCl⁻
陰イオン水酸化物イオンOH⁻
陰イオン硫酸イオンSO₄²⁻

右上の「2+」は、電子を2個失ったという意味です。「1」は書かずに「+」だけで表します。

原因を見分ける4つの質問

どこで止まっているかは、子どもに4つ聞けば切り分けられます。親が答えを知っている必要はありません。答えはこの記事に書いてあるので、確かめ役に回れば十分です。

質問1「原子の中にある、+の電気をもつ粒と-の電気をもつ粒の名前は?」

「+が陽子、-が電子」と言えれば合格です。原子全体では+と-の数が同じなので、電気を帯びていないことまで言えれば十分です。名前が出てこないなら、原因は1つ目です。

質問2「ナトリウム原子が電子を1個失ったら、+と-のどちらになる?」

「-がへったから+になる」と理由つきで言えるかを見ます。「失ったから-」と答える子は、原因は2つ目です。

質問3「塩化物イオンと銅イオンのイオン式を書いて」

Cl⁻とCu²⁺を書けるかを見ます。記号は合っているのに右上を書き忘れる子や、Cu⁺と書く子は、原因は3つ目です。

質問4「塩化銅が水に溶けて電離する式を書いて」

CuCl₂→Cu²⁺+2Cl⁻と書けるかを見ます。「2」が抜けてCl⁻が1個になる子は、原因は4つ目です。質問3まで解けて、質問4で止まる子はこの単元でよく見られます。

原因別の家庭での直し方

直す順番は、質問1から4の順が基本です。原子のつくりがあいまいなままイオン式を暗記しても、+と-の向きで迷い続けます。

親子で理科の勉強をする場面

原因1 原子を丸の図で描かせる

原子のつくりがあいまいな子には、教科書の原子の図を見ながら、紙に描かせます。真ん中に原子核を描き、中に+の丸(陽子)を入れます。外側に-の丸(電子)を同じ数だけ描きます。

描けたら「+と-の数が同じだから、原子は電気を帯びていない」と口で言わせます。この1文が言えると、次のイオンの話が電子の数の増減だけで説明できるようになります。 原子核の中にある中性子は電気を帯びていないため、イオンの問題では数えなくて構いません。

原因2 電子を「-のおもり」と言いかえる

+と-の向きを逆に覚える子は、「電子を失う」という言葉に引っぱられています。「失う」と聞くと、マイナスのイメージが先に立つためです。

家庭では、電子を「-のおもり」と言いかえます。

  • -のおもりを1個捨てる:+が1個あまる → +1(陽イオン)
  • -のおもりを1個もらう:-が1個多い → -1(陰イオン)

原因1の図で、電子の丸を1個消したり足したりさせると確実です。消した後に+と-を数え直し、どちらが多いかで符号を決めさせます。

原因3 イオン式は3つの組に分けて覚える

イオン式の暗記で止まる子には、一覧表をそのまま覚えさせず、右上の形で3つの組に分けます。

  • +1の組:H⁺、Na⁺
  • 2+の組:Cu²⁺、Zn²⁺、Mg²⁺
  • -の組:Cl⁻、OH⁻、SO₄²⁻

金属の陽イオンは、銅・亜鉛・マグネシウムの「2+の組」がよく出ます。組ごとに覚えると、Cu⁺のような書き間違いに自分で気づきやすくなります。OH⁻やSO₄²⁻は、原子がいくつか集まったものが1つのイオンになっている例です。かたまりのまま覚えさせてください。

原因4 +と-の合計を0にそろえる

電離の式で個数がそろわない子には、**「右側の+と-を足すと0になる」**と決めておきます。水に溶ける前の物質は、電気を帯びていないためです。

塩化銅なら手順は次の3段です。

  1. 陽イオンと陰イオンに分ける:Cu²⁺とCl⁻
  2. +と-を数える:+は2、-は1
  3. 足りない側の個数を増やす:Cl⁻を2個にして、+2と-2で0

最後に、左側のCuCl₂の「Cl₂」と、右側の「2Cl⁻」で塩素の数がそろうかを確かめます。中2で習った化学反応式の数合わせと同じ考え方です。

イオン式の覚え方3つを比べる

イオン式の覚え方には、学校や問題集でよく使われる方法が3つあります。どれが合うかは子どもによって違い、1つに決めなくても構いません。

中3理科 | 化学変化とイオン

イオン式の覚え方 3つ

どの方法が合うかは、つまずき方で変わります

覚える速さ+-の向き電離の式への使いやすさ
一覧表の丸暗記 表を上から順に ○ 短い時間で数をこなせる △ 理由がないので逆に覚えやすい △ 個数合わせで迷いやすい
右上の形で組分け +1/2+/-の3組 ○ 組ごとに覚えられる △ 向きの理由は別に必要 ○ +-の数を数えやすい
原子の図から考える 電子の丸を消す・足す △ 最初は時間がかかる ○ 理由ごと身につく ○ 合計0の考え方につながる
  • ※どの方法でも、学習の進み方には個人差があります。向きを逆に覚えている子は、原子の図から始めるのが目安です

まなびとこども

+と-の向きで迷う子は、原子の図から考える方法で理由を先に入れます。向きが分かっている子は、組分けで数をこなすほうが早く進みます。一覧表の丸暗記は、テスト直前の確かめに回すと、ほかの2つの方法を邪魔しません。

親がやりがちな3つの失敗

失敗1 イオン式の暗記テストだけで終わる

イオン式を10個書ければ、穴うめの問題は解けます。ただし定期テストでは、電離の式や「なぜ電流が流れるのか」の記述も出ます。暗記テストの後に、電離の式を1本だけ書かせると、覚えたイオン式を使えるかが確かめられます。

失敗2 中2の化学反応式の苦手を見落とす

電離の式で止まる子の中には、中2の化学反応式の数合わせが苦手なまま中3に上がった子もいます。この場合、イオンの問題集を何周しても点は伸びにくいままです。2Cu+O₂→2CuOのような中2の式を1本書かせ、数合わせができるかを先に確かめます。

失敗3 実験の問題を後回しにする

テストでは、式のほかに実験の結果も問われます。砂糖水に電流が流れない理由や、塩化銅水溶液の電気分解で陰極に銅がつく理由が代表例です。砂糖は水に溶けてもイオンに分かれないため、電流を運ぶものがありません。銅がつく理由は、+の銅イオンが-の極に引きよせられるためです。どちらもこの単元の考え方で説明できるので、記述の問題を捨てないようにしてください。

家庭以外で見てもらう選択肢

イオンのつまずきは、解いている途中を見てもらうと原因が早く分かります。答案だけでは、+-の向きの勘違いなのか、個数合わせのミスなのかが区別しにくいためです。

まず頼りたいのは学校の先生です。費用がかからず、定期テストの出題範囲を最もよく知っています。質問に行く時間が取れない場合や、数学など他の教科にも取りこぼしが重なっている場合に、家庭の外の指導が候補になります。

理科を含めてオンライン個別指導を使う場合

中学生向けのオンライン個別指導の1つに苦手克服塾があります。公式サイトによると、予習と復習の週2コマを、オンラインのマンツーマンで受ける形です。対応教科は数学・英語・国語・社会・理科の5教科です。毎回の授業後に、内容を保護者へ報告する仕組みも案内されています。

料金は月額29,800円(税込32,780円)からで、入塾金は0円と記載されています。2週間の無料体験が案内されています(最終確認日:2026-10-11)。

週2回の指導なので、イオンの1単元だけ見てほしい家庭には、回数も費用も多めです。中3の2学期は、理科と数学の両方で新しい単元が続きます。両方で点が落ちている場合に、検討する価値が出てきます。画面越しの指導が合うかどうかは子どもによって差があるため、無料体験で確かめてから決めてください。合わなければ見送って構いません。

化学反応式の数合わせに不安がある場合は、中2理科で化学変化と質量がわからない|比の計算で止まる理由で中2の内容から確かめられます。

よくある質問

原子とイオンは何が違いますか

原子は+と-の数が同じで、電気を帯びていません。イオンは、原子が電子を失ったり受け取ったりして、電気を帯びたものです。名前も「ナトリウム原子」と「ナトリウムイオン」のように区別して書きます。

塩化物イオンを「塩素イオン」と書くと間違いですか

教科書では「塩化物イオン」と書きます。テストで名前を書かせる問題では、教科書の表記にそろえるのが安全です。採点の基準は学校によって違うため、気になる場合は先生に確かめてください。

電解質と非電解質はどう見分けますか

水に溶かしたときに電流が流れる物質が電解質です。塩化ナトリウムや塩化銅が代表例です。砂糖やエタノールのように、溶かしても電流が流れない物質を非電解質と呼びます。

定期テスト前は何から復習すればいいですか

まず4つの質問で止まっている場所を確かめます。そのうえで、質問2の+-の向きと質問3のイオン式を先に固めます。電離の式は、イオン式が書けるようになってから取り組むほうが、手順が頭に入ります。

親が化学を覚えていなくても教えられますか

教える必要はありません。4つの質問で止まっている場所を見分け、教科書の該当ページを一緒に開く役で十分です。答え合わせで「向き・記号・個数」のどのミスかを分けて数えるだけでも、子どもの次の一手が決まります。

まとめ

中3理科のイオンでつまずく原因は、暗記力の差ではありません。原子のつくり・+-の向き・イオン式・電離の式の個数合わせのどれかが抜けているだけです。

  • まず4つの質問で、どの段で止まっているかを切り分ける
  • 原子は丸の図で描き、+と-の数をそろえて考える
  • 電子は「-のおもり」と言いかえて、向きの理由を言わせる
  • 電離の式は、右側の+と-を足して0にそろえる

イオンは、電子1個の出入りが図で見えた時点で、式に手が出るようになる子がいる単元です。まずは「電子を1個捨てたら、+と-のどっちが多くなる?」と、今夜1回だけ聞いてみてください。

学習の進み方には個人差があります。取り組んだ結果が、すぐに点数へ表れない場合もあります。

あわせて読みたい

参考にした情報

  • 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」第2章 第4節 理科 第1分野「化学変化とイオン」(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387016.htm)
  • イオン式・電離の式の表し方は、中学理科の教科書・問題集で一般に使われる表記による
  • 苦手克服塾 公式サイト(対応教科・料金・無料体験・指導形式。https://nigate-kokufuku.jp/ 最終確認日:2026-10-11)

※本記事は情報提供を目的としたもので、学習の成果を保証するものではありません(効果には個人差があります)。料金・無料体験の条件は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。