中3理科で仕事がわからない|動滑車と仕事率でつまずく理由
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「仕事=力×距離」は言えるのに、テストでは答えが合わない。中3理科の「仕事」では、こうした相談がよくあります。
仕事の計算で間違える原因は、ほとんどが3つのどれかです。一番多いのは、グラムをニュートン、センチメートルをメートルに直さずにかけ算していることです。 残りの2つは、「動いた距離」をどこで測るかの取り違えと、動滑車や斜面の問題で止まることです。原因を見分ければ、家庭でも直す順番が決まります。
仕事の計算でつまずく原因は3つ
仕事の問題で点を落とす原因は、次の3つに分かれます。
- gをN、cmをmに直さずに計算している
- 「力の向きに動いた距離」を取り違えている
- 動滑車や斜面になると、力と距離の関係が分からなくなる
1つ目の子は、式は合っているのに答えの桁がずれます。2つ目の子は、物を持って歩いた問題や斜面の問題で、使う距離を間違えます。3つ目の子は、道具を使わない問題は解けるのに、図に滑車が出てくると手が止まります。
中3理科で習う「仕事」の中身
中3で学ぶ内容は、文部科学省の中学校学習指導要領で決まっています。第1分野の「運動とエネルギー」の中で、仕事に関する実験を行い、仕事と仕事率について理解することが示されています。
教科書では、主に次の内容が出てきます。
- 仕事(J)=力の大きさ(N)×力の向きに動いた距離(m)
- 仕事の原理(道具を使っても、仕事の大きさは変わらない)
- 仕事率(W)=仕事(J)÷かかった時間(s)
この単元を1学期に習うか2学期に習うかは、教科書と学校の計画で違います。どちらの場合も、後に習う位置エネルギーや力学的エネルギーの土台になる単元です。
原因を見分ける3つの質問
どこで止まっているかは、子どもに3つ聞けば切り分けられます。親が公式を覚えている必要はありません。
質問1「500gの物体にはたらく重力は何N?」
中学の教科書では、100gの物体にはたらく重力の大きさを約1Nとして計算します。「5N」とすぐに答えられなければ、原因は1つ目です。「500N」と答えた場合も1つ目に入ります。
質問2「重い荷物を持ったまま、水平に10m歩いた。手がした仕事は?」
「0J」と答えられなければ、原因は2つ目です。荷物を支える力は上向きで、動いた向きは横です。力の向きに動いていないので、理科の仕事は0になります。
質問3「動滑車を使うと、引く力と引く距離はどうなる?」
「力は半分、引く距離は2倍」と言えなければ、原因は3つ目です。
3つとも答えられるのに間違える場合は、計算ミスか、問題文の「何の仕事か」の読み落としです。間違えた問題で、どの数字から合わなくなったかを見てください。
家庭での直し方3ステップ
原因が分かったら、1から順に埋めます。動滑車の問題から手をつけても、単位の直し方があいまいなままだと、同じところで点を落とします。
ステップ1 計算の前に単位を書きかえる
最初に、式を立てる前の作業を1つ決めます。
- 問題文の質量(g・kg)に線を引き、Nに直して横に書く
- 距離(cm)に線を引き、mに直して横に書く
- 直した数字だけを使って、力×距離を計算する
単位を直した数字を問題文の横に書かせると、桁のずれが減ります。 頭の中で直そうとする子ほど、途中で直し忘れます。
たとえば2kgの物体を150cm持ち上げる問題なら、2kgは20N、150cmは1.5mです。仕事は20×1.5で30Jになります。2,000×150のように、直す前の数字をかけていないかを見てください。
ニュートンの考え方があいまいな場合は、中1の「力」に戻るほうが早く進みます。ばねの問題でNを扱った内容は中1理科でばねののびがわからない|長さとの混同を直す方法にまとめています。
ステップ2 力の矢印と動いた向きを図に描く
距離の取り違えを直すには、図に2本の矢印を描かせます。
- 力の矢印(手が物体を押す・引く向き)
- 物体が動いた向きの矢印
2本の矢印が同じ向きのときだけ、その距離を仕事の計算に使います。 持ち上げる問題では、力も動きも上向きなので、持ち上げた高さを使います。荷物を持って水平に歩く問題では、力が上向きで動きが横向きなので、仕事は0です。
床の上で物体を引きずる問題では、力も動きも横向きです。一定の速さで引く場合、使う力は物体の重さではなく、摩擦力とつり合う引く力です。重さの数字を使ってしまう子は、矢印の向きを描いていないことがほとんどです。
ステップ3 道具の問題は「力×距離は同じ」で確かめる
動滑車や斜面の問題では、仕事の原理を確かめの道具にします。仕事の原理とは、道具を使って力を小さくしても、その分だけ動かす距離が長くなり、仕事の大きさは変わらないという決まりです。
20Nの物体を1.5m持ち上げる場合で比べます(滑車の重さや摩擦は考えないものとします)。
| 方法 | 必要な力 | 引く・押す距離 | 仕事 |
|---|---|---|---|
| 直接持ち上げる | 20N | 1.5m | 30J |
| 定滑車を使う | 20N | 1.5m | 30J |
| 動滑車を使う | 10N | 3m | 30J |
どの方法でも仕事が30Jになるかを最後に確かめさせると、力と距離の取り違えに自分で気づけます。 定滑車は力の向きを変えるだけで、力の大きさは変わりません。動滑車は物体を2本のひもで支えるので、力が半分になり、ひもを引く距離が2倍になります。
斜面も同じ考え方です。20Nの物体を高さ1mまで、長さ2mの斜面で引き上げるとします。直接持ち上げる仕事は20×1で20Jです。斜面でも仕事は20Jなので、引く力は20÷2で10Nになります。
仕事率で落としやすい2つの問題
時間を秒に直していない問題
仕事率は、1秒あたりにする仕事の大きさです。単位はW(ワット)で、仕事(J)を、かかった時間(秒)で割って求めます。
30Jの仕事を5秒でした場合、仕事率は30÷5で6Wです。問題文に「1分」と書いてあれば、60秒に直してから割ります。時間が分のまま割っている答案は、ステップ1の単位の書きかえで防げます。
2つの方法の仕事率を比べる問題
「動滑車を使ったほうが仕事率は大きいか」を問う問題もよく出ます。仕事の原理から、動滑車を使っても仕事は同じです。仕事率の大小は、かかった時間だけで決まります。
同じ30Jの仕事を、Aさんは5秒、Bさんは10秒でした場合、仕事率はAさんが6W、Bさんが3Wです。道具を使ったかどうかではなく、時間を比べると答えが出ます。
親がやりがちな3つの失敗
失敗1 公式を何度も言わせる
「仕事=力×距離」を暗唱できても、単位を直していなければ点は取れません。公式の確認より、問題文の横にNとmを書き込ませる練習に時間を使ってください。
失敗2 日常の「仕事」の意味で説明する
荷物を持って歩けば、日常の感覚では疲れる作業です。理科の仕事は、力の向きに物体が動いたときだけ数えます。日常の言葉で説明すると、2つ目の原因を深くしてしまいます。
失敗3 苦手の原因を「理科のセンス」にする
仕事でつまずく原因の多くは、単位の直し方と、力の向きの読み取りです。センスの問題にすると、子どもは問題文を読む前に手を止めます。間違えた問題を「単位」「距離」「道具」の3つに分けて数えると、次にやることがはっきりします。
家庭以外で見てもらう選択肢
仕事のつまずきは、図にどんな矢印を描いて計算したかを聞いてもらうと、原因が早く分かります。答案に数字だけ書いてある場合、単位の直し忘れなのか、距離の取り違えなのかが区別しにくいためです。
中3理科 | 仕事のつまずき
仕事の問題を見てもらう3つの手段
どれが向くかは家庭の状況と、止まっている段で変わります
| つまずきの特定 | 聞きたいときに聞けるか | 費用 | |
|---|---|---|---|
| 親が家で見る 教科書を手元に | △ 3つの質問で大まかには分かる | ○ その場で聞ける | ○ かからない |
| 学校の先生に質問する 授業の前後や放課後 | ○ 授業の進度と出題範囲を把握している | × 授業時間外の限られた時間だけ | ○ かからない |
| オンライン家庭教師 1対1 | ○ 図の矢印や途中式を画面越しに見てもらえる | △ 予約した授業の時間に限られる | △ 受けた回数に応じて費用がかかる |
- ※費用や指導の形はサービスごとに異なります。申し込み前に公式サイトで確認してください
まなびとこども
最初に頼りたいのは学校の先生です。費用がかからず、定期テストの出題範囲を最もよく知っている相手だからです。質問に行く時間が取れない場合や、力の合成・分解など前の単元にも取りこぼしが重なっている場合に、家庭の外の指導が候補になります。
オンライン家庭教師を使う場合
オンラインの1対1指導の1つにオンライン家庭教師e-Liveがあります。公式サイトによると、授業は1コマ30分単位で、月の最低受講回数はありません。仕事の単元だけを数回で見直したい家庭には、回数を決めて受けられる形が合います。
公式の料金ページでは、中学生の指導料は講師のランクによって1コマ30分あたり税込1,870〜3,520円です。月4コマ以上受けると、システム月額基本料(税込2,970円)がかかります。入会金は料金ページに記載が見当たりませんでした。申し込み時に確認してください(最終確認日:2026-10-07)。
30分の授業は、1回で扱える問題の数が限られます。単位の直し方から動滑車まで、どこを優先して見てもらうかを先に決めておくと、短い時間を使い切れます。画面越しの指導が合うかどうかは子どもによって差があるため、無料体験で確かめてから判断してください。合わなければ見送って問題ありません。
よくある質問
100gで1Nと覚えてよいですか
中学の教科書では、100gの物体にはたらく重力の大きさを約1Nとして扱います。テストでも、この値で計算する前提の問題がほとんどです。問題文に別の値が書かれている場合は、その値に従ってください。
動滑車の重さがある問題はどう考えますか
動滑車の重さが書かれている問題では、物体の重さと動滑車の重さを足してから半分にします。20Nの物体と4Nの動滑車なら、合計24Nの半分で12Nの力が必要です。問題文に「滑車の重さは考えない」と書かれているかを、最初に確かめさせてください。
親が理科を覚えていなくても教えられますか
教える必要はありません。3つの質問で止まっている場所を見分け、問題文の横にNとmの書き込みがあるかを確かめる役で十分です。間違えた問題を3種類に分けて数えるだけでも、子どもの次の一手が決まります。
直前に習った力の合成・分解も苦手です
斜面の問題では、物体にはたらく重力を斜面に平行な向きと垂直な向きに分けて考える場面があります。力の矢印の作図で止まる場合は、中3理科で力の合成・分解がわからない|平行四辺形の作図で止まる理由で原因を切り分けられます。
まとめ
中3理科の「仕事」でつまずく原因は、理科のセンスではありません。単位の直し方・力の向きの読み取り・道具の問題での力と距離の関係のどれかが抜けているだけです。
- まず3つの質問で、どの段で止まっているかを切り分ける
- 計算の前に、問題文の横にNとmを書き込む
- 力の矢印と動いた向きの矢印が同じ向きのときだけ距離を使う
- 動滑車や斜面の問題は、仕事が同じになるかで確かめる
仕事は、単位の書きかえと矢印の描き方が身につくと、仕事率や力学的エネルギーの計算にもそのまま使える単元です。まずは間違えた問題を1つ選び、「500gは何N?」と今夜1回だけ聞いてみてください。
学習の進み方には個人差があります。取り組んだ結果が、すぐに点数へ表れない場合もあります。
あわせて読みたい
参考にした情報
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)」理科 第1分野(5)運動とエネルギー
- 各中学校が公開している理科第3学年の年間指導計画(調布市立第五中学校ほか。単元の実施時期が学校で異なることの確認)
- オンライン家庭教師e-Live 公式サイト「指導料金」(中学生の指導料・システム月額基本料・授業の単位。最終確認日:2026-10-07)
※本記事は情報提供を目的としたもので、学習の成果を保証するものではありません(効果には個人差があります)。料金・無料体験の条件は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。