小6で場合の数がわからない|数え落ちと重なりの直し方
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答えは書けている。書き方も間違っていない。それなのに何通りかを数えると足りない。小6の「場合の数」で、テストが返ってきてから相談が増える単元です。
先に結論をお伝えします。数え落ちや重なりが出る子の多くは、書き方を知らないのではなく、「順番が関係あるか」を決めないまま書き始めています。ここを最初の10秒で決めるだけで、樹形図も表も別のものに見えてきます。
この記事でわかることは3つです。
- 「並べ方」と「組み合わせ」を見分ける1つの質問
- 樹形図と表のどちらを使うかの決め方
- 親が教えきれないときの手段と費用の目安
つまずきの正体は順番の区別
場合の数は、計算の単元ではありません。数え方を整理する単元です。だから答えが合わない原因も、計算ミスではなく数え方の手順にあります。
小学館の教育情報サイト「みんなの教育技術」の小6算数「場合の数」指導アイデアでは、子どものつまずきとして「食べる順番は関係ない」という意味がつかめず、前の問題と同じやり方で書き進めてしまう点が挙げられています。もう1つ挙がっているのが、同じ組み合わせが2つあると気づいても、片方を消すことに自信が持てない状態です。
つまり止まっているのは、書く技術ではありません。その問題が「並べ方」なのか「組み合わせ」なのかという判断です。
場合の数を習う学年と中学の確率
文部科学省の小学校学習指導要領では、起こり得る場合を調べる学習は第6学年に置かれています。ねらいは通り数を出すことよりも、落ちや重なりがないように順序よく整理する方法を身につけることです。
指導要領解説では、図や表に表す、項目を記号に置きかえるといった整理の仕方が示されています。答えの数字そのものより、調べる過程が評価される単元だと考えてください。
この単元は、中学2年で習う「確率」の土台になります。確率は「起こり得る場合の数」を分母に置いて考えるため、小6でここを飛ばすと中2で二重につまずきます。逆に言えば、いま数え方の型を1つ持っておけば、中学で使い回せます。
学校で扱う時期は教科書によって差があり、6年の後半に置かれることが多い単元です。お子さんの教科書の目次で位置を確かめておくと、復習の計画が立てやすくなります。
つまずきの4タイプ
「場合の数がわからない」の中身は、次の4つに分かれます。テストの答案とノートを見ながら、どれに当てはまるか確かめてください。
- ① 並べ方と組み合わせを区別していない:問題文を読んでもどちらか判断しないまま書き始める
- ② 樹形図を思いつくまま書いている:頭に浮かんだ順に線を引くので、あとから抜けが見つかる
- ③ 組み合わせで重なりを消せない:AとBの組、BとAの組を別々に数えている
- ④ 0や「使えない場合」の条件を落とす:3けたの整数で百の位に0を使ってしまう
①が土台です。①をあいまいにしたまま②③を練習しても、問題が変わるたびに同じ場所で止まります。以下は①から順に並べています。上から試してください。
直し方①順番が関係あるかの確認
用意するものは、教科書の問題文と鉛筆だけです。ドリルは増やしません。
問題を読んだら、書き始める前に親が1つだけ質問します。
「入れかえたら、別のことになる?」
この質問への答えで、書き方が決まります。
- 別のことになる → 並べ方(順番が関係ある)
- 同じことになる → 組み合わせ(順番が関係ない)
具体例で見ると早いです。4種類のアイスから2つ選ぶとします。1つ目にバニラ、2つ目にチョコを食べるのと、先にチョコを食べるのは、食べる順番としては別です。ここは並べ方で12通りになります。一方「2つを買って持ち帰る」なら、袋に入れる順番は関係ありません。バニラとチョコの組は1つと数えるので、6通りに減ります。
前掲の指導アイデアでも、同じアイスの場面で並べ方の12通りを出したあと、重なりを消して組み合わせの6通りに直す流れが紹介されています。12と6の差が「順番が関係あるかどうか」の差だと、目で見せるのが要点です。
問題文に出やすい言葉も、目印として書き出しておくと使えます。
- 並べ方になりやすい:順番、1番目、リレー、けた(3けたの整数)、席
- 組み合わせになりやすい:選ぶ、組、試合、握手、代表2人
ただし言葉だけで決めさせないでください。「代表2人を選び、1人を委員長にする」のように、選ぶが並べ方になる問題もあります。最後は必ず「入れかえたら別か」で確かめる形にします。
直し方②樹形図は1つ目を固定
樹形図が書けない子はほとんどいません。抜けが出るのは、書く順番を決めていないからです。
日本文教出版の実践事例では、思いつくままに列挙すると落ちや重なりが生じ、解決に時間がかかると指摘されています。あわせて、いずれか1つを固定して考えるという観点の決め方が示されています。
家庭では、次の3ステップに固定してください。
- 出てくるものを記号にする(バニラ、チョコ、いちご、抹茶 → ア、イ、ウ、エ)
- 1番目をアに固定して、2番目に来るものを全部書く
- アが終わったらイに移り、同じことをくり返す
記号にするのが地味に効きます。名前を書くと1本あたりの時間がかかり、途中で面倒になって省略が始まります。ア・イ・ウ・エなら1文字なので、手が止まりません。
書けたら、確かめも型にします。1番目がアの枝は何本、イの枝は何本、と数えて、どのかたまりも同じ本数か見る。ここがそろっていなければ、どこかで抜けています。答え合わせを親がするのではなく、子ども自身が抜けを見つけられる手順にしておくのが目的です。
問題の読み取りそのものでつまずいている場合は、場合の数だけの話ではありません。文章題の読み方については小学生が算数の文章題でつまずく原因と家庭での教え方にまとめています。
直し方③組み合わせは表で重なり消し
組み合わせの問題で樹形図を使うと、書いたあとに半分を消す作業が発生します。ここで手が止まる子が多いので、組み合わせは表に切り替えるほうが確実です。
4チームの総当たり戦を例にします。縦にア・イ・ウ・エ、横にもア・イ・ウ・エを並べたマス目を書きます。
- 同じチーム同士のマス(アとア)に斜線を引く
- アとイ、アとウ、アとエ、イとウ、イとエ、ウとエに印をつける
- イとア のように、すでに数えた組が裏返しになっているマスは空けたままにする
- 印の数を数える(6試合)
表のよいところは、空いているマスが目に見えることです。樹形図は書き忘れても紙の上に何も残りませんが、表なら埋まっていないマスが残ります。数え落ちに自分で気づける形になります。
なお「片方を消していいのか自信が持てない」という状態は、前掲の指導アイデアでも典型的なつまずきとして挙げられています。ここは理屈で納得させるより、アとイの試合とイとアの試合が同じ1試合だと、指で2つのマスを同時に押さえて見せるほうが早く伝わります。
直し方④0が使えない問題の型
条件つきの問題は、条件を先に処理します。代表例が、カードで3けたの整数を作る問題です。
0、1、2、3 の4枚から3枚を使う場合、答えは18通りです。すべての並べ方は 4×3×2=24通りですが、百の位が0の並びは3けたの数になりません。
手順は2つに固定します。
- 使えない場所を先に決める(百の位は0以外の3通り)
- 残りを順番に数える(十の位は残り3通り、一の位は残り2通り)
3×3×2=18通りです。先に全部書いてからダメなものを消すやり方は、消し忘れが起きます。制限のある位置から埋めるほうが、間違いが減ります。
小6算数 | 場合の数の書き方
樹形図と表はどちらを使うか
問題のタイプで向く書き方が変わります
| 樹形図で書く | 表で書く | 計算で出す | |
|---|---|---|---|
| 並べ方(順番が関係ある) リレー・3けたの数 | ○ 1つ目を固定して書く | △ 2つを選ぶ問題までなら可 | △ 書き出せてから使う |
| 組み合わせ(順番が関係ない) 総当たり・代表2人 | △ 半分を消す手間が出る | ○ マス目で重なりが見える | × 小6では式にしない |
| 数え落ちが多い子 まず①の判断から | ○ 枝の本数で確かめられる | ○ 空きマスが目印になる | × 落ちに気づけない |
- ※「入れかえたら別か」を先に決めないと、どの書き方でも答えは合いません
まなびとこども
家庭で避けたい教え方2つ
1つ目は、中学・高校の公式を先に教えることです。組み合わせの計算式を教えると、その場の1問は解けます。ただし小6のテストで問われるのは、落ちや重なりなく調べた過程です。式だけ書いた答案は、数字が合っていても部分点が伸びません。
2つ目は、全部書き出させてから間違いを指摘することです。24通り書いたあとに「6つ余分だね」と言われても、子どもはどこで増えたか追えません。書き始める前に「入れかえたら別か」を確認する。この順番を変えないでください。
教えている途中で言い合いになるなら、教える人を替える判断もあります。親子だと感情が先に立ちます。切り替え方は小学生に勉強を教えるとケンカになる|親が教えない切り替え方にまとめました。
戻る学年の見きわめ方
上の4つを試しても数え落ちが減らない場合、原因は場合の数の外にあります。次の順で確かめてください。
- 小4「表を使った整理」:たてと横の2つの観点で表を読めるか
- 小3「かけ算の意味」:1つあたりの数と いくつ分に分けて考えられるか
- 書く作業そのもの:図が乱れて自分で読めなくなっていないか
見きわめの目安は、表のたてと横を同時に見られるかの1点です。ここが止まっているなら、場合の数の練習量を増やしても伸びません。表の読み取りに数日戻すほうが、結果は早く出ます。
3つ目の「書く作業」は見落とされがちです。樹形図が斜めに流れて自分で読めない子は、内容ではなく紙の使い方でつまずいています。方眼のノートに替えるだけで直る場合があります。
立て直しの手段3つの比較
家庭の時間と子どもの状態で、向く手段は変わります。費用は2026-09-13に各公式サイトで確認した目安です。
| 手段 | 費用の目安 | 向いている状態 |
|---|---|---|
| 親が教科書で教える | 0円 | 樹形図を一緒に書く時間が取れる |
| 映像授業 | 月2,178円から | 単元の説明をもう一度聞かせたい |
| オンライン家庭教師 | 月13,200円から | どこで数え落としているか親にも分からない |
映像授業の強みは、単元をさかのぼって見直せる点です。場合の数でつまずいた原因が小4の表の読み取りにあるなら、4年の授業に戻って見られます。弱点は、どこに戻るかを決める人が必要なことです。子ども1人では選べないため、最初の1回は親が一緒に選ぶ前提で考えてください。
1対1の指導は、止まっている場所を講師が探します。費用は上がりますが、親が説明役から降りられます。
親が付き合いきれないときの選び方
費用が軽いほうから試すのが、無理のない順番です。映像授業なら場合の数の授業を見せて、反応を確かめられます。「聞けば書ける」タイプなら、そこで解決します。「聞いても樹形図が続かない」なら、1対1に切り替える判断がつきます。
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よくある質問(FAQ)
Q. 「並べ方は12通り、組み合わせは6通り」と覚えさせてよいですか。
数字の丸暗記はすすめません。4種類から2つの場合に限った数だからです。覚えるなら「並べ方の数を、入れかえて同じになる分だけ減らすと組み合わせ」という関係のほうが、別の問題でも使えます。
Q. 樹形図と表、どちらか片方だけでもよいですか。
両方書ける状態にしておくほうが安全です。学校のテストでは「図や表を使って説明しなさい」と書き方を指定する問題が出ます。片方しか練習していないと、指定された側で手が止まります。
Q. 中学受験はしません。それでもやり直す必要はありますか。
受験の有無とは関係なく戻る価値があります。場合の数は中2の確率の土台になるためです。中学での立て直しについては中1で数学についていけない|つまずく単元と2学期の立て直し方も参考にしてください。
Q. 学校の宿題だけで足りますか。
「入れかえたら別か」を自分で判断できている子なら足ります。判断せずに書き始める状態で宿題を重ねると、当たりはずれのある解き方が固まります。理解の度合いは、解いた数ではなく判断できるかで見てください。
まとめ:先に順番の有無を決める
場合の数のつまずきは、「① 入れかえたら別かを決める → ② 樹形図は1つ目を固定して書く → ③ 組み合わせは表で重なりを消す → ④ 使えない位置から先に埋める」の順にほぐすのが基本です。①を飛ばすと、あとの3つは問題ごとの当てずっぽうになります。
戻るべきかの目安は、表のたてと横を同時に見られるかどうか。ここが止まっているなら、小4の表の読み取りまで戻るほうが早く着きます。
親が説明役を続けるのが難しいときは、映像授業や1対1の指導に役割を渡してかまいません。教える人が替わるだけで進む子もいます。学習の進み方には個人差があるため、1週間で結果を求めずに様子を見てください。
あわせて読みたい
参考にした情報
- 文部科学省「小学校学習指導要領解説 算数編」(起こり得る場合は第6学年。落ちや重なりがないよう順序よく整理する。図や表・記号化の活用)
- 小学館「みんなの教育技術」小6算数「場合の数」指導アイデア(並べ方12通りから重なりを消して組み合わせ6通りへ。つまずきの具体例)
- 日本文教出版 my実践事例「場合の数〔ならび方や組み合わせ方を調べよう〕」第6学年(思いつくままの列挙で落ちや重なりが生じる。1つを固定する観点)
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※本記事は情報提供を目的としたもので、学習の成果を保証するものではありません(効果には個人差があります)。料金・無料体験の条件は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。