小2の「時こくと時間」がわからない|家庭での教え方のコツ
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「時計は読めるのに、テストの『何分後』の問題が全部バツだった」「長い針が3のところで『3分』と答える」「1時間30分と90分が同じだと言うと、きょとんとしている」——小学2年生の「時こくと時間」は、算数のなかでも家庭でのつまずきが目立つ単元です。
やっかいなのは、**親のほうが「なぜ分からないのか分からない」**という点です。大人は無意識に時計を読んでいるので、どこが難しいのかを言葉にしづらい。結果、「さっき教えたでしょ」で終わってしまいがちです。
先に結論をお伝えします。この単元でのつまずきは、たいてい「時計が読めない」ことではありません。「読む」「時刻と時間を言い分ける」「60でくり上がる」「頭の中で針を回す」——この4つのうち、どれか1つで止まっているだけです。どこで止まっているかを切り分ければ、家庭でやることはぐっと少なくなります。
この記事では、学校で習う順番、つまずきの正体4つ、家庭での具体的な教え方、そして親がつきっきりになれないご家庭のための道具・教材の選び方まで、専門用語を使わずに順を追って説明します。
まず結論:「読む力」と「計算する力」は別のもの
「時こくと時間が分からない」と一言でいっても、中身は2つに分かれます。
- 読む力:時計の針を見て「3時20分」と言える
- 計算する力:「3時20分の30分後は?」「3時20分から4時までは何分?」に答えられる
この2つは、まったく別の力です。読めるのに計算でつまずく子はとても多いですし、その逆もあります。まずはお子さんがどちらで止まっているのかを、5分ほどの声かけで確かめてみてください。
- アナログの時計を指して「今、何時何分?」と聞く(読む力の確認)
- 読めたら「じゃあ、あと10分たったら何時何分?」と聞く(計算する力の確認)
- それも答えられたら「おやつが3時20分から3時50分まで。何分間?」と聞く(時刻と時間の区別の確認)
止まった場所が、手当てすべき場所です。全部やり直す必要はありません。
学校ではいつ何を習う? 焦らなくていい理由
時計の学習は、1年生から3年生にかけて少しずつ積み上げる設計になっています。文部科学省の学習指導要領(平成29年告示)にもとづくと、大まかには次のような流れです(最終確認日:2026-07-27)。
| 学年 | 主に学ぶこと |
|---|---|
| 小1 | 日常生活のなかで時刻を読む(「何時」「何時半」が中心) |
| 小2 | 日・時・分の単位とその関係、時刻と時間の区別、午前・午後、1日は24時間 |
| 小3 | 秒の単位、ある時刻から一定の時間前後の時刻や時間を求める(時間の計算) |
ここから分かる大事なことが2つあります。
- 「何分後」の計算がすらすらできるのは、本来3年生の内容です。2年生の時点で完璧でなくても、遅れているわけではありません。
- 一方で、2年生でつまずいたまま3年生に入ると苦しくなるのも事実です。3年生では秒が加わり、計算そのものが本題になるためです。
つまり、2年生の今は「詰め込む時期」ではなく「土台をならす時期」。ここを押さえておくと、家庭での声のかけ方が変わります。
つまずきの正体は、だいたいこの4つ
1. 長い針の目盛りを「5とび」で数えられない
長い針が3を指しているのに「3分」と答える——これは間違いというより、まだ習っていないルールを知らないだけです。時計の文字盤は、短い針にとっては「1〜12」ですが、長い針にとっては「5・10・15…」を表しています。1つの文字盤を、2種類の読み方で使い分ける必要があるわけです。
大人には当たり前でも、子どもにとっては相当に無理のある仕組みです。ここは理屈より、5とびで数える練習量がものを言います。
2. 「時刻」と「時間」という言葉が区別できていない
学校では、次のように使い分けます。
- 時刻=時の流れの上の「1つの点」。「3時20分」「今」「出発の時こく」
- 時間=時刻と時刻のあいだの「長さ」。「30分間」「1時間」
日常会話では「時間ある?」「何時間かかる?」のように、大人もかなり混ぜて使っています。家庭で親が混ぜて話していると、子どもは区別のしようがありません。 テストで「何分間ですか」と聞かれているのに時刻を答えてしまう子は、ここが原因のことがあります。
3. 60でくり上がることが飲み込めない
算数のほかの場面では、数は10で位が上がります。ところが時計だけは、60分たつと1時間になります。この切り替えが、この単元でいちばん大きな壁です。
低学年でよくあるのが、「1時間の半分は0.5だから50分」「1時間20分=120分」といった答えです。これは考えていないのではなく、慣れているルール(10のまとまり)を素直に当てはめているだけです。叱るところではありません。
4. 頭の中で針を回せない(何分後・何分前)
「3時50分の20分後は?」という問題は、頭の中で長い針を進めて、しかも12を通り過ぎるところで時のほうを1つ増やす、という二重の作業になります。時計を見ずにいきなり暗算させると、多くの子がここで止まります。
家庭での教え方|順番に5ステップ
ステップ1:まずアナログの時計を、目に入る場所に置く
家じゅうの時計がデジタル(数字だけ)になっているご家庭は珍しくありません。ですが、針の時計は「見えている量」が読み取れるという利点があります。「長い針があそこまで来たら出発」と言えるのは、針の時計だけです。
リビングと、お子さんが宿題をする場所に1つずつ。まずはこれだけで、目に入る回数がまったく変わります。
ステップ2:長い針は「5とび」でまとめて数える
「1、2、3…」と1目盛りずつ数えていると、途中で必ず迷子になります。「5・10・15・20…」と口で言えるようにするのが先です。
- お風呂で数える、階段で数えるなど、机以外の場所で1日30秒
- 文字盤の数字の外側に、小さく「5・10・15…」と書いたシールを貼るのも有効
- 慣れてきたら「35はどこ?」と、逆に位置を当てさせる
5とびが口から出るようになると、読む力は一気に安定します。
ステップ3:「時こく」と「時間」を、家の会話で言い分ける
親のほうが意識して使い分けるだけで、子どもは驚くほど早く覚えます。
- 「家を出る時こくは7時40分だよ」
- 「ごはんまでの時間は、あと20分ね」
ときどき「今の、時こくと時間どっちだ?」とクイズにすると、遊びになります。言葉の区別は、教えるより浴びせるほうが早い部分です。
ステップ4:60の壁は「ちょうどの時刻でいったん区切る」
「3時50分の20分後」を、いきなり足し算で解かせないでください。次のように区切ると、多くの子が自力でたどり着けます。
- まず4時ちょうどまであと何分?(10分)
- 20分のうち10分使ったから、残りは何分?(10分)
- 4時から10分進めて、4時10分
このやり方は3年生以降の時間の計算でもそのまま使えます。「ちょうどの時刻でいったん止まる」——この1つの型を覚えるだけで、かなりの問題が解けるようになります。
ステップ5:「何分後・何分前」は、まず時計を見ながら
最初から暗算させないこと。 針を実際に回せる時計(あとで紹介する学習用時計や、工作の紙時計でも十分)を手元に置き、動かして答えさせます。
- 動かして答える → 目で見て答える → 見ないで答える、の順に外していく
- ノートに横線を引いて「3時20分——3時30分——3時50分」と書き出す方法(数直線)も、上の学年で必ず役に立ちます
時計を見ながら解けることは、ズルではなく途中段階です。 焦って道具を取り上げると、苦手意識だけが残ります。
道具の選び方|デジタル・ふつうのアナログ・学習用時計
「どんな時計を用意すればいいか」という質問も多いので、比べておきます。
時こくと時間 | 家庭の道具えらび
デジタル時計・ふつうのアナログ時計・学習用時計の違い
どれが優れているかではなく、今どこでつまずいているかで選びます
| 分の読みやすさ | 時間の長さが感じられるか | 費用 | |
|---|---|---|---|
| デジタル時計 数字だけの表示 | ○ 数字がそのまま読める | × 長さは見た目に出ない | ○ 家にあることが多い |
| ふつうのアナログ時計 針の時計 | △ 5とびの変換が必要 | ○ 針の位置で長さが見える | ○ 家にあることが多い |
| 学習用(知育)時計 分の数字が入った時計 | ○ 分の数字が書いてある | ○ 針の位置で長さが見える | △ 買い足しの費用がかかる |
- ※デジタル時計が悪いわけではありません。生活では読みやすく、併用が現実的です。
- ※道具をそろえれば必ず読めるようになる、というものではありません(つまずきの場所によります)。
まなびとこども
学習用時計というのは、文字盤に「分」の数字(5・10・15…)が最初から書かれている時計のことです。5とびの変換をとばして読めるので、ステップ2で苦戦している時期の橋渡しになります。
一方で、いつまでも分の数字に頼っていると、学校にあるふつうの時計が読めないままになります。**「読めるようになってきたら、ふつうの時計に戻す」**という使い方が現実的です。
5とびでつまずいている時期に、手元に1つ置くなら
たとえば、くもん出版の「スタディクロック」は、時を赤・分を青で色分けし、短い針と長い針それぞれが指す同じ色の数字を読むだけで時刻が言える壁掛け時計です(対象年齢3歳以上、直径約30cm、単3電池1本使用・別売。楽天市場の商品ページ記載、最終確認日:2026-07-27)。価格は3,000円前後で扱われていることが多いですが、店舗により異なります。
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「長い針の数字がまだ5とびで出てこない」お子さんに合う道具です。すでに5とびで読めているなら、無理に買い足す必要はありません。
教材で伴走してもらう|ドリル・タブレット・通信教育
「毎日つき合う余裕がない」「教えるとケンカになる」というご家庭では、教材に伴走役を任せる手もあります。時計の単元に限っていえば、針が動くところを見せられるかが選ぶときの分かれ目になります。
- 紙のドリル:安く、書いて練習できる。ただし針の動きは紙の上では止まったまま。丸つけは親が行う
- タブレット教材・映像授業:画面上で針を動かして見せられる。自動で採点され、間違えた問題が記録に残る
- 添削つき通信教育:学校の進度に合わせて教材が届くので、何をやるかを親が決めなくてよい
時計は「動くところを見ないと分からない」単元なので、画面で針が動く教材とは相性がよい分野です。とはいえ、実物の時計を触るほうが入る子もいます。ここは合う・合わないがはっきり出るところなので、いきなり長期契約をせず、無料の体験教材で反応を見てから決めるのが安全です。
まず無料の教材で反応を見たいご家庭に
進研ゼミ小学講座は、タブレットで学ぶ「チャレンジタッチ」と紙で学ぶ「チャレンジ」の2つのスタイルがあり、学年に合わせた体験教材とパンフレットを無料で取り寄せられます(申し込みはベネッセ公式サイトから。到着まで1週間程度。最終確認日:2026-07-27)。受講費は学年や支払い方法で変わるため、金額は必ず公式サイトでご確認ください。
**「まず体験教材だけ取り寄せて、子どもが自分から開くかどうかを見る」**という使い方ができます。開かなければ、見送って問題ありません。
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無料体験や資料請求は、「合わなければ見送ってOK」くらいの気持ちで使うものです。お子さん自身が「これならやってみたい」と言ったかどうかを、いちばんの判断材料にしてください。学習の効果には個人差があります。
つまずきを長引かせる、よくある関わり方
- 一度に全部を教えてしまう:読み方・時刻と時間の違い・計算を同じ日に詰め込むと、混ざって余計に分からなくなります。1日1つで十分です。
- 道具を早く取り上げる:「時計を見ないで考えなさい」は、まだ早い段階では逆効果です。見ながら正解を出す経験を先に積ませてください。
- 生活のなかで使う場面を作っていない:「あと何分でごはん?」「7時40分に出るには、あと何分?」と、答えが実生活で意味を持つ質問にすると定着が違います。
- 親が正解者、子が回答者になっている:間違えるたびに直されると、時計の話題そのものが嫌になります。できた数を数えて、伸びを見せるほうが続きます。
- なかなか改善しないときに一人で抱える:数の感覚や、目で見た情報の処理に強い苦手さが続く場合、教え方の問題ではなく本人の特性が関係していることもあります。心配なときは担任の先生やスクールカウンセラー、自治体の教育相談など専門の窓口に相談するのが確実です。ネットの情報だけで判断しないでください。
よくある質問(FAQ)
Q. うちはデジタル時計しかありません。買い替えるべきですか?
生活用のデジタル時計はそのままで大丈夫です。学習用に、針の見える時計を1つ足すだけで足ります。時計の読み取りは学校のテストにも出るため、針の時計に触れる機会は作っておきたいところです。
Q. 何分後の問題だけ、いつまでもできません。
「ちょうどの時刻でいったん区切る」型(本文のステップ4)を、同じ形で10問ほど繰り返してみてください。やり方を毎回変えないことが定着の近道です。それでも難しければ、3年生で本格的に習う内容なので、今は時計を見ながら解ければ十分です。
Q. 「1時間20分は何分?」がどうしても80分になりません。
60分で1時間、という関係が体に入っていないサインです。「120分は何時間?」「90分は?」と、60のまとまりに目を向ける質問を短く繰り返すのが効きます。低学年に「60進法」という言葉自体を教える必要はありません。
Q. 夏休みに時計だけ集中してやらせてもいいですか?
短い時間なら有効です。ただし1日5分〜10分を毎日のほうが、まとめて1時間やるより残ります。生活時間そのものを扱う単元なので、夏休みは「時こくを決めて動く」練習にもなります。
Q. タブレット教材とアナログの時計、どちらを先に用意すべきですか?
つまずきの場所によります。読むところで止まっているなら実物の時計が先、計算のところで止まっていて解説が必要なら教材が先です。両方いっぺんに増やすと、どちらが効いたのか分からなくなります。
まとめ:4つのうち、どこで止まっているかを見つける
「時こくと時間」は、時計が読めるかどうかの単元ではなく、読む・言い分ける・60でくり上がる・頭の中で動かす、という4つの力の単元です。
- まず「読む力」と「計算する力」のどちらで止まっているかを確かめる
- 長い針は5とび。机以外の場所で1日30秒
- **時こく(点)と時間(長さ)**は、親が家の会話で言い分ける
- 「何分後」はちょうどの時刻でいったん区切る型を1つだけ覚える
- 時計を見ながら解けることは、途中段階として正しい
- 読むところで苦戦している時期は、分の数字が書かれた学習用時計が橋渡しになる
- 親が教えると険悪になるなら、教材に伴走役を任せる
学校では3年生にかけてゆっくり積み上げる内容です。今日全部できるようになる必要はありません。 まずは今夜、「今、何時何分?」と1回聞くところから始めてみてください。
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参考にした情報
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」算数(各学年の内容): https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387014.htm
- ベネッセ 進研ゼミ小学講座 無料体験教材・資料の申し込み(公式フォーム): https://enquete.benesse.ne.jp/forms/o/we9f88776e/form
- 楽天市場 くもん出版 スタディクロック 商品ページ(仕様・対象年齢): https://item.rakuten.co.jp/edion/4944121547616/
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