年中・年長の数の概念|数えられるのに数量がわからない子への教え方
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「1、2、3……10!」と元気に数えられるのに、いざ「おはじきを5個ちょうだい」と言うと4個や6個を渡してくる。数字は言えるのに、実際のモノの数とつながっていない気がする——年中(4〜5歳)・年長(5〜6歳)のお子さんを持つ親御さんから、よく聞くお悩みです。
「うちの子、大丈夫かな」「もう周りは足し算をやっているのに」と焦ってしまう気持ち、よくわかります。でも、これは多くの子が通る自然な発達の通り道で、家庭でのちょっとした関わりで無理なく整えていける段階です。この記事では、「数えられる」と「数がわかる」はまったく別の力だということを整理したうえで、家庭で今日からできる教え方を、専門用語を噛み砕いてお伝えします。
先に結論:数唱と数量を「つなぐ」体験を積めばいい
いちばん大事な結論を先にお伝えします。
- 「1、2、3……」と唱えられること(これを数唱/すうしょうと呼びます)と、「これは5個ある」とモノの量をわかること(数量/すうりょうの理解)は、育つ時期がずれていて別の力です。
- 数えられるのに数量がわからないのは、この2つがまだ頭の中でつながっていないだけ。多くの年中・年長さんに見られる、ごく普通の途中段階です。
- 直し方はシンプルで、「声に出して数えながら、1個ずつ触って動かす」体験をくり返すこと。プリントより、生活とあそびの中で積むほうが定着しやすいと言われています。
まずは焦らないこと。そのうえで、下の見分け方と関わり方を試してみてください。
そもそも「数がわかる」って、どういうこと?
大人にとっては当たり前すぎて意識しませんが、「数がわかる」は実はいくつもの力が積み重なっています。ざっくり4つの段階に分けると見通しが立ちます。
- 数を順番に言える(数唱):「1、2、3……」と歌のように言える。年少で3〜5まで、年中で10くらいまで言えるようになる子が多いとされます。
- 1個ずつ対応させて数える(1対1対応/いちたいいちたいおう):モノを指でさわりながら「いち、に、さん」と、1つの声と1つのモノをぴったり合わせて数えられる。
- 最後に言った数が「全部の数」だとわかる:5個数えたら「ぜんぶで5個」と言える。これができると「5個ちょうだい」に応えられます。
- 数字(5という記号)と量が結びつく:書かれた「5」を見て「5個ぶんだ」とわかる。
「数えられるのに数量がわからない」子は、1はできていて、2または3でつまずいていることがほとんどです。つまり土台はできていて、あと一歩をつなぐ段階だということです。
各サービスの解説でも、3歳ごろから数字に興味を持ち始め、数字・数唱・数量の一致は4歳以降にゆっくり育っていくと説明されています(発達には大きな個人差があります)。「年中でまだ一致していない」ことそのものは、めずらしいことではありません。
つまずきの見分け方:どこでズレているかチェック
「うちの子はどの段階でつまずいているの?」を知ると、関わり方がはっきりします。おうちで、おはじきやブロックを使って気軽に見てみましょう。
- チェックA|数えるとき、声とモノがずれる:「いち、に、さん……」と言いながら指さすと、同じモノを2回さわったり、飛ばしたりして、声の数と個数がずれる。→ 2の「1対1対応」がまだ定着していないサインです。
- チェックB|数えた直後に「ぜんぶで何個?」と聞くと、また数え直す:5個数えたのに「ぜんぶで?」でもう一度数え始める、または別の数を言う。→ 3の「最後の数=全部」がまだ結びついていないサインです。
- チェックC|「◯個ちょうだい」で多かったり少なかったりする:「5個ちょうだい」で4個や6個を渡す。→ 2と3のどちらか、または両方をつなぐ練習が必要な段階です。
数の概念 | つまずきの見分け
『数えられる』の中身を3段階で見分ける
お子さんがどこまで来ているかを、おはじきで気軽に確認できます
| 数唱(順に言える) | 1対1対応(声とモノが合う) | 全部の数がわかる | |
|---|---|---|---|
| 数唱だけの段階 言えるが量は未定着 | ○ 10まで言える | △ 数えると声とモノがずれがち | × 「ぜんぶで?」で数え直す |
| つなぎかけの段階 あと一歩 | ○ 言える | ○ 指さしで合う日が増える | △ 合う時と合わない時がある |
| 数量がわかる段階 ここを目指す | ○ 言える | ○ 安定して合う | ○ 「5個ちょうだい」に応えられる |
- ※発達には大きな個人差があります。上の段階は目安で、行きつ戻りつしながら進みます。
- ※順番がバラバラになる・いくつまで数えたか分からなくなるといった様子が続く場合は、気になれば園の先生や専門機関に相談を。
まなびとこども
大切なのは、「できていない」を責めないこと。数えているときにズレても、「ちがうでしょ」と言わず、「もう一回、ゆっくり一緒に数えてみよう」と隣で一緒にやるだけで十分です。
家庭でできる教え方:あそびと生活の中でつなぐ
ここからが本題です。ドリルを増やすより、日常のあそびと生活の中で「数えながら触る」体験を積むほうが、数唱と数量は自然につながりやすいと多くの解説で共通して言われています。特別な教材がなくても、今日から始められます。
① 指でさわって、動かして数える(1対1対応を育てる)
いちばんの基本です。おはじき・ブロック・お菓子など、手で動かせるモノを使い、「いち」と言いながら1つを右にずらす、「に」でもう1つ、と声と手を1回ずつ合わせて数えます。目で追うだけより、手で動かすと「1つの声=1つのモノ」が体で入りやすくなります。
- ポイント:数え終わったら「ぜんぶで3個だね」と親が言ってあげる。これで「最後の数=全部」がくり返しインプットされます。
② 「◯個とって」ゲーム(数量を指定して取り出す)
「クッキー2枚とって」「お箸を4本出して」など、数を指定してモノを取り出す遊びです。日常でいちばん使う力なので、実生活と相性がぴったり。
- 食卓の準備:「家族は4人だから、コップを4つ出してくれる?」
- お風呂:「アヒルを3つ湯船に入れよう」
- お片づけ:「積み木を5個、箱に戻せるかな」
多く取ってきても「おしい! 一緒に数えてみよう」と、①の数えるあそびに戻せばOKです。
③ 生活の中で「数える場面」を増やす
階段を上りながら段を数える、信号を待つ間に車を数える、みかんを配りながら数える——生活のあちこちに数はあります。「勉強」の顔をせず、あそびとして声に出して数えるだけで、数への親しみが育ちます。
④ 数字(記号)と量をつなぐのは、あとからでいい
「5」という数字を読めることと、量がわかることは別の力です。量の理解が先、数字の読み書きは後が自然な順番。数字ドリルを急いでやらせるより、まずは①〜③でモノの数の感覚を育てるほうが、あとの算数の土台になります。
やりがちなNG:ここに注意
- 「なんで間違えるの」と急かす・叱る:数への苦手意識につながりやすいので避けたいところ。
- プリントだけで進める:紙の上の数字だけだと、量の実感がわきにくい年齢です。手で動かす体験を必ずセットに。
- 周りの子と比べる:発達の速さは本当に子どもごとに違います。去年のわが子と比べるくらいがちょうどよいです。
もっと「数的思考」を伸ばしたい・家で続けにくい家庭には
生活とあそびで土台ができてきて、「もう少し考える力(数的思考)を伸ばしたい」「共働きで毎日つきっきりは難しく、子どもが1人でも楽しめる仕組みがほしい」というご家庭には、思考力系の通信教材を“あそびの一つ”として取り入れるのも手です。
たとえば ワンダーボックス(対象4〜10歳)は、足し算や九九のような計算を教える教材ではなく、数量や図形などを「あそびながら考える」STEAM教材で、アプリとキットで構成されています。料金は月額でおおよそ3,000〜5,000円台(きょうだい追加は割安になる仕組みあり)。無料の資料請求で、思考力ワークブックと体験版アプリを試せるので、合うかどうかは負担なく確かめられます(最終確認日:2026-07-10。料金・体験条件は変わることがあるので、申し込み前に必ず公式でご確認ください)。
計算ドリルを早めるための教材ではないので、「まず数を楽しめる子に」という今の段階と方向性が合います。合わなければ資料請求だけで見送ってOK、という気軽さで試せます。毎日ドリルが得意でない子や、遊びの延長で数に触れさせたいご家庭に向いています。
ワンダーボックスもちろん、教材を使わず①〜④の家庭での関わりだけでも数の概念は育ちます。無理に増やす必要はありません。
よくある質問(FAQ)
Q. 年中で「5個ちょうだい」に正しく応えられません。遅れていますか? A. 数唱と数量が一致するのは4歳以降にゆっくり育つとされ、年中で途中段階なのはめずらしくありません。発達には大きな個人差があります。数えながら手で動かす体験を積むうちに整っていくことが多いので、まずは焦らず①〜③を続けてみてください。
Q. どのくらいの期間で「わかる」ようになりますか? A. これは子どもによって本当にさまざまで、期間を約束することはできません(効果には個人差があります)。数週間でつながる子もいれば、ゆっくりの子もいます。「できた日」を数えて増やしていくくらいの気持ちがちょうどよいです。
Q. 数字の読み書きは先に教えたほうがいい? A. 量の理解が先、数字の記号は後、が自然な順番です。数字を書けても量とつながっていないと「数えられるのに数量がわからない」状態になりがち。まずはモノの数の感覚づくりを優先しましょう。
Q. 数える順番がいつもバラバラ、いくつまで数えたか分からなくなります。 A. まずは3〜5個の少ない数から、1個ずつ動かして数える練習に戻すのがおすすめです。それでも長く続いて気になる場合は、園の先生や地域の相談窓口・専門機関に相談すると安心です。
まとめ:あと一歩を、あそびで橋渡し
「数えられるのに数量がわからない」のは、土台ができていて、数唱と数量をつなぐあと一歩の段階です。特別なことは要りません。
- 声に出しながら、1個ずつ手で動かして数える
- 数え終わったら「ぜんぶで◯個」と伝える
- 「◯個とって」ゲームや生活の中で、数を使う場面を増やす
- 数字の読み書きは急がず、量の理解が先
焦らず、去年のわが子と比べて、「できた日」を一緒に喜んであげてください。それがいちばんの近道です。
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※本記事は情報提供を目的としたもので、学習の成果を保証するものではありません(効果には個人差があります)。料金・無料体験の条件は変更される場合があるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトでご確認ください。
参考にした情報
- 学研教室「子どもに『数の概念』を理解させるには?」 https://www.889100.com/column/column158.html
- RISU「数の概念はいつ・どう育つか」 https://www.risu-japan.com/math-start/number-concept/
- ワンダーボックス公式サイト https://box.wonderlabedu.com/